2022年も半分が過ぎ去り、なんと7月ももう終わろうとしています。
今年もいくつかのキーボードを購入してきましたが、実際のところどれをメインで使っているのか?を紹介していきます。
メカニカルキーボードの世界も日進月歩で、昨年のベストキーボード5選からは大きくアップデートされた上半期でした。
2022年7月 メインキーボード3選
「メイン」なのに3選とは?
メインという単語の意味を調べ直した方が良い気もしますが、現在は主に3種類のキーボードを使い分けています。
理由は下記の通りです。
- 使うPCが複数あるため、キーボードごと使い分けている
- キーボードは複数を使い分けることで、それぞれの良さを実感できる
- 気分を変えるために、服やアクセサリを替える感覚でキーボードを替える
要するに、1つに絞れないし複数使い分けてる方が楽しいので、3つに落ち着いている(?)という状況です。
当然ですが、あまりにも操作性が違うとまともにタイピングできなくなってしまうので、ある程度の機能性がある方が複数のキーボードを使い分けやすくなります。
自然と、今回紹介するキーボードはどれも操作性が統一できて快適に使えるようにカスタマイズできるものが選ばれています。
それでは見ていきましょう。
第3位 MelGeek Mojo68
まず1台目はMelGeek Mojo68です。
このキーボードはクラウドファウンディングで入手したもので、海外のメーカー「MelGeek」の製品です。
デザイン・高級感・機能性、どれも高水準
MelGeek Mojo68の特徴は下記。
- プラスチックの透明ボディからは想像もできない重量感
- 中身にぎっしりと詰まったシリコンパッドによる、圧倒的に上品な打鍵音
- 高品質キーキャップのサラサラした手触り
- Hot-Swappableでスイッチ交換も簡単
- ソフトウェアでのキーマップ変更にも対応
機能性と高級感、打鍵感のいずれも、一流のキーボードです。価格も高かった。。
あまり入手性は高くありませんが、海外のショップでは時々販売されているようです。
Holy Panda Xを装着して最高峰の打鍵感
ぼくのMojo68は、購入時Gateron G Pro Brownが装着されていましたが、これをDropのHoly Panda Xに感想しています。
これがまた素晴らしい打鍵感。特徴は以下です。
- 適度に重めの押下圧
- ハッキリしたタクタイルのピークが早めに訪れる独特の感触
- 最新設計によるノイズ抑制
- DropとGateronの競業により価格が抑えられている
打鍵感も素晴らしい上に価格もHoly Pandaより安いので、入手しやすいのも特徴です。
7月31日までですが、35個入りを2パック買うと1パックもらえるキャンペーンが行われていますので、70キーでは足りないキーボードに使いたいと思っている方は今がチャンスです!円安もあいまって5000円くらいお得です。
後継機もクラファンで支援しました
ちなみにMelGeek Mojo68の後継機種、Mojo84がクラウドファウンディング実施中です。
クラファンであれば定価より安く入手できるので、65%にこだわらないのであれば今から買うならMojo84が良いと思います。
ぼくも1台申し込みました。
ちなみにMelGeekのDiscordサーバーに入っておくと、クラファンの予告が先にもらえたり、最安値価格で予約ができたり特典もいっぱいです。
もちろん海外のサーバーなので英語がメインですが、翻訳とか駆使すれば見ることはできるので、とりあえず参加だけするのも手ですね。
第2位 Shurikey Saizo
第2位にランクインしたのは、最近紹介したShurikey Saizoです。
特徴は下記。
- Varmilo(アミロ)の静電容量メカニカルスイッチを採用
- 本家Varmiloにはない無線接続機能
- キーマップ変更は未対応
- ABSにしては高品質なキーキャップ
- 初代Hanzoから大幅に進化したビルドクオリティ
- 国内Amazonで購入でき、すぐに届く
Shurikeyは初登場のHanzoの時から応援しているブランドです。
以前からVarmiloの静電容量メカニカルスイッチが大好きで、推しスイッチはローズ軸でした。
今回、第二世代になるSaizoでは新しいMoxa(ヨモギ)スイッチを選択し、自分の中での最推しスイッチがローズからMoxaに変更されてしまいました。
その理由は、Moxaスイッチは「軽いのに誤爆しづらい適度な押下圧」が設定されていて、スペック上の押下圧が同じサクラ軸に比べて全く違う打鍵感になっている点です。
打鍵音の調整も素晴らしい
初代のShurikey Hanzoの初期モデルが手元にあるのですが、やはりプラスチック筐体のガチャガチャしたノイズが気になる打鍵音をしていました。
それと比較して、第二世代のSaizoはプラスチック筐体でありながらガチャガチャ感が軽減されていて、特にスタビライザーのクオリティが高く打鍵音がめちゃくちゃ良いです。
第一世代のHanzoと、第二世代のSaizoの打鍵音比較をYouTubeにアップしていますので、ぜひ見てみてください。
カスタマイズ性能はほぼ無し
Shurikey Saizoの注意点としては、本体のスイッチ交換などのハードウェア面、キーマップ変更などのソフトウェア面の両方において、カスタマイズ性が非常に低いところです。
キーキャップは一般的なメカニカルスイッチ用のキーキャップが使用できますが、スイッチは独自のVarmiloスイッチなので購入後の変更はできません。
カスタマイズソフトウェアもないので、一般的なキーアサインツールを使用することになります。
ぼくはこのSaizoをMac Studio専用で使用していて、Karabiner Elementsでキーアサインを変更しています。
Saizoの無線機能は3台までのPCに接続することができますが、会社用のPCではキーアサイン変更ツールをインストールできないため、Saizoは仕事では使っていません。
第1位 Keychron K8 Pro
Keychron最新機種、Keychron K8 Proが現時点トップに。
昨年のトップだったKeychron Q2を差し置いて、今年いきなりランクインです。
このキーボードの特徴は以下。
- 無線でVIA対応という圧倒的機動力
- Mac/Windows対応
- オーソドックスな80%配列
- Keychronのキーキャップとの親和性
- 価格が安い
- Hot-Swap対応でカスタマイズ性が高い
ひとことで言えば、とにかくカスタマイズ性が優秀すぎます。
ちなみにキーキャップはこちらに換装しています。
各社独自のソフトでも、優秀なものはある
カスタムソフトウェアは多数の会社がリリースしていますが、ソフトの機能性が高い代表的なブランドは以下です。
これらのメーカーのソフトウェアは、いずれもキーマップを好きに変更することができて優秀です。
特にREALFORCEのソフトウェアは省エネルギー設定やキーの反応する深さを設定するアクチュエーションポイントチェンジャーなど、さまざまな機能が搭載されています。
このように独自の機能を搭載できるのは、各社独自のソフトウェアの強みと言えます。
Keychron K8 ProではVIAを使用
一方、Keychron K8 ProのカスタマイズにはVIAという汎用ソフトウェアを使用します。
このVIAというソフトウェア、上記の3社の高機能ソフトウェアと比較しても別次元の柔軟性を誇っており、例えば「短押しならスペース、長押しならFn」というキー設定も可能です。
この「長押し・短押し(Hold/Tap)機能が、他のソフトウェアとの大きな違いになります。
他には、各社独自のソフトウェアの課題として、
- Fnキーは予約されている箇所から移動できない場合がある(HHKBなど)
- あらかじめセットされた設定用のキーコンビネーションには別の機能が割り当てできない
などの制約があります。
VIAにはこういった制約はほぼ無く、極端に言えば「全部のキーをAにする」なんてことも可能です。
この圧倒的な柔軟性をもつVIAの弱点は、これまで有線でしか使用できませんでした。
そこにKeychronがブチ込んで来たのが「無線でVIA対応」というブレイクスルーを達成したKeychron K8 Proというわけです。
ちなみに、無線でVIAに対応した機種としてもう一つ、Zoom65 Essential Editionというのがあります。こちらもかなり便利ですが、Mac・Windowsの切り替えボタンは無いのでキー操作で切り替えを行う必要があり、利便性は少し負けます。ただし打鍵感は別格です。
Hot-Swapの実用性
先日、手元のKeychron K8 Proに装着しているAKKO Jelly Blueスイッチのうち、Enterキーの効き具合が悪くなりました。Enterキーを素早く押すと反応しない時があり、ゆっくり押すと反応するという症状です。
そこで、さっとキーキャップとキースイッチを取り外して、余っていたキースイッチと交換することで無事に復活し、Enterキーが問題なく使えるようになりました。
Hot-Swapは「キースイッチを交換して遊べる」といった側面だけではなく、このように修理が一瞬で完了するというリペアラビリティの面でも素晴らしい機能だと実感しました。
作業もとっても簡単なので、Hot-Swap対応のキーボードを選んでおくと安心感があります。
現在の設定が物理的に見える安心感
さまざまなキーボードを使用してきて、特に多いのが「キーの長押しで設定変更」というパターンです。
例えば、「Fn+Iを長押しすることでWindows用の配列になる」という設定があるIQUNIX F96とかですね。
この設定方法を採用するメリットは、キーボード本体の見た目がスッキリする点や、切り替えスイッチを用意する必要がない点だと思いますが、デメリットは「現在の設定がわからない」ということです。
たとえば、WindowsとMacを日常的に繋ぎ変えながら使っているとして、「前の日の夜にどっちで使っていたか」を毎朝思い出すところから始める必要があるわけですよ。
で、Macモードだと思っていたらWindowsモードになっていて、Commandだと思った場所がAltだった…なんてこともあって、少々ストレスになります。
「Fn+IでWinモードになるのなら、Windowsで使うときはとりあえずその操作しとけばいいじゃん」
と思った方、それは正にその通りです。
しかし製品によっては、「Fn+TabでWinモードとMacモードを切り替え」という鬼畜な仕様のものが存在します。
例えばこの問題があるのは、IQUNIXのF97です。
「現在のモードと反対のモードに切り替える」という動作をされてしまうと、「現在の設定はわからないけれど、とりあえずMacモードにする」とかが出来ないんですよね。
こうなるともう、「前夜にどっちモードで使っていたか思い出す」しかありません。
IQUNIXはハードウェアとしては素晴らしいキーボードなので、大好きなキーボードの一つなのですが、こういうユーザビリティの甘さが気になっていました。
で、一方のKeychronです。
Keychronのキーボードは全て、MacモードとWindowsモードを物理スイッチで切り替えることができます。
これによって、前の日にどっちのモードで使っていても、使い始める前にスイッチを見れば現在のモードがわかるわけです。
もっと言えば、「奥側のスイッチを上にスライドさせればWindowsモード」ということだけ覚えておけば、スイッチを見なくても任意のモードに設定することができます。
これ、上述のIQUNIXの例と比べてどれだけストレスがないか、想像いただけるでしょうか。
同じことが無線/有線の切り替えにも言えます。この物理スイッチは正義。
利便性か、質感か、両方か
今回ノミネートされた3機種は、どれも「使いたくなる理由」が少しずつ違います。
- Mojo68は、デザイン・手触り・打鍵感 + 最低限の機能性がありバランスが良い
- Saizoは、機能性は高くないが打鍵感が圧倒的。Mac1台で運用するなら機能性をソフトでカバーできる
- Keychron K8 Proは、打鍵感はQ2ほどではないが機能性が半端ない。日常の道具としては最強
このように、キーボードを選ぶ時にどの点を重視するかによって、「最高の1台」というのは変わってきます。
ただし、ぼくのような飽きっぽい人間は、「あっちの打鍵感が良い、こっちの機能性が良い」とか言いながらいろいろ使いわけていくのが楽しいなぁと感じています。
ちなみにK8Proの利便性を説明するために引き合いに出したIQUNIX F97だって、Hot-Swapや2.4Ghz無線接続が可能で、カスタマイズ性・機能性で言えばShurikey Saizoより上です。
SaizoとF97は、機能性は惜しいものの質感が高く、かなり拮抗した存在であると言えますので、甲乙つけ難いです。
今回は、Varmilo ECスイッチの圧倒的な打鍵感が素晴らしかったので、こちらをチョイスしました。
(あとIQUNIX F97はカスタムソフトウェアがずっとリリース待ちの状況なのも、ちょっと残念ポイントです)
今回は、ぼくが現在ローテーションして使っているメインキーボードを3台紹介しました。
ぜひ、お気に入りの1台を見つける参考になれば幸いです。
コメント