このブログでもかなり推している、Varmilo(アミロ)というキーボードメーカーがあります。
Varmiloのキーボードの特徴は、
高い耐久性と滑らかな打鍵感をもつ静電容量メカニカルキースイッチを搭載していることです。
通常のVarmiloキーボードは有線接続のみの仕様ですが、ShurikeyというメーカーはVarmiloスイッチを搭載した無線キーボードを作っています。
以前に紹介したSHURIKEY Hanzoというキーボードが、このShurikeygearの最初のキーボードになります。
Hanzoはの名前の通り、忍者をモチーフとしたネーミングになっていて、明らかに一部のアメリカ人とかが好きそうな感じですよね。
今回、そんなShurikeygearのキーボードの第二弾である「Saizo」がリリースされました。
さらに嬉しいことに、国内のAmazonでも購入できるようになっています。
欲しい時にすぐに購入できるのは非常に便利ですね。
今回はSHURIKEY様からレビュー用に提供いただきましたが、特に忖度せず普通にレビューしたいと思います。
Shurikey Saizo レビュー
Shurikey(シュリキー)のキーボードは、2022年6月時点で下記の2種類です。
- Hanzo 65%
- Saizo 75%
今回紹介するのは、75%のSaizoになります。
前作のHanzoと同じく、2つのノブを搭載していて、音量の調整やバックライトの調整が可能です。
ノブはプラスチックなので高級感はあまりないですが、レトロな道具っぽさがあります。
付属品
付属品は以下です。
- Shurikey Saizo 本体
- 交換用キーキャップ
- 色違いのEnter,Backspace,Space,矢印キー
- キーキャッププラー
- 保証書
- 説明書(英語・中国語)
- ステッカー
- USB-A to Cケーブル(1.8m)
日本語の説明書が付属しないので注意してください。最近はスマホで撮影すれば翻訳できるアプリなどもあるので、工夫すればなんとかなると思います。
キーキャップは前作に引き続きダブルショットABS
本家VarmiloはPBTキーキャップを搭載していますが、ShurikeyのキーキャップはABS樹脂で作られています。
ABS樹脂は一般的にPBTよりも安価な素材で、高級機にはPBTが使われることが多いです。
Shurikeyはハイエンドな高級機というよりは、レトロなミドルクラスのキーボードに位置しますので、キーキャップでややコストカットをしてくれているのかもしれません。
それでもABS樹脂にしては相当しっかりとしたダブルショットキーキャップになっていて、下手な中華製のPBTキーキャップより優れた打鍵感になっています。
個人的には、Keychronのキーボードに標準で付属してくるABSキーキャップやPBTキーキャップより厚みがあって整形もしっかりしており、高品質なキーキャップだと感じます。
表面の処理もサラサラしていて、ABS樹脂にありがちな「使用に伴ってテカリが出てくる」という心配を感じません。
ぜひこのクオリティを保ったまま、オプションでPBTキーキャップなんかが出てくれると良いなぁ、と思います。
一応Shurikeyではキーキャップセットも販売しているようですが、これらもすべてABSキーキャップになっています。
一番の特徴、Varmiloスイッチ
Shurikeyを選ぶ一番の理由になると思われるのは、Varmilo独自のメカニカルスイッチです。
通常のメカニカルスイッチと異なり、金属の接点ではなく電気的な変動を感知するタイプの静電容量スイッチとなっていて、耐久性が非常に高く滑らかな打鍵感が特徴です。
この静電容量メカニカルスイッチのメリット・デメリットは以下です。
- メリット:
- 潤滑油の塗布や改造の必要なく、最高の状態で使い始めることができる
- 耐久性が高くすり減らないので、実質無限の耐久性を持つ
- 特にリニアスイッチの選択肢が豊富で、好みに合わせて選択できる
- 打鍵音も素晴らしい
- デメリット:
- スイッチを自分で交換できないため、カスタマイズの幅が狭い
- Varmiloのスイッチに対応する基盤は白色LEDのみ対応となる。RGBは選べない
- タクタイル軸やクリッキー軸の選択肢が著しく少ない(1種類のみ)
これらのメリット・デメリットを踏まえて、Varmiloスイッチを搭載したキーボードを選ぶようにしましょう。
レトロなデザイン
Shurikeyは、未来的なデザインというよりはレトロなデザインを売りにしています。
ブラウン管のモニターや、CDドライブ付きのパソコンのようなセットアップにも似合うカラーリングになっています。
一方で、紫やネイビーを基調としたネオンカラーも用意されており、デスクのアクセントにもなるデザインになっていて、プラスチックを多用したデザインですがチープさをあまり感じさせないようになっています。
実物もなかなか精巧に作られていて、安っぽくありません。
無線接続
本家のVarmiloでは無線接続モデルは流通していません。Varmilo静電容量メカニカルスイッチを搭載して無線接続に対応しているキーボードはShurikeyだけになっています。
無線接続方式はBluetooth5.0となっていて、USB2.4Ghzドングルでの接続には対応しません。
環境によってはBluetoothは不安定にもなったりするので、今後はUSBドングルに対応する機種が出てくれると嬉しいですね。
とはいえ、もちろんUSB-Cケーブルでも接続ができますので、通常の有線キーボードとして使用することも可能です。
USBポートは少し奥まった構造になっているので、別売りのケーブルの一部は干渉してしまうかもしれません。
付属のケーブルはカラーリングも合わせてあるので、このケーブルを使う前提で考えておくのが良いでしょう。
スイッチは新登場のMoxaを選択
Varmilo静電容量スイッチは、特にリニア軸の選択肢が豊富で、以下のスイッチから選べます。
- 桜(45g)
- ローズ(55g)
- Moxa(45g)
- デイジー(35g)
ぼくは以前、桜(45g)を使っていたことがありますが、少し軽すぎてタイプミスが増えてしまい、使用を断念した経緯があります。
で、同じ45gのMoxaというスイッチが出ていたので、桜とどのように違うのか確認してみると、
- 桜よりMoxaの方が、押し始めの荷重が重く、ミスタイプを防ぐ効果が期待できる
とのこと。
これはミスタイプで桜を挫折したぼくにとっては、願ってもない設計のスイッチではありませんか。
少し重めのローズ軸を気に入って使っていましたが、ローズは底まで重いので長時間の打鍵では結構疲れるんですよね。
始めにはっきりとした抵抗があり、あとは軽く沈んでいくスイッチが、個人的には理想だったので、これは試してみるほかありません。
Moxaスイッチがスペック以上に良い
すごくよかったです。これまでRoseが最高だと思っていましたが記録更新です。
桜スイッチの滑らかさと軽快な打鍵感に、はっきりとした押し始めの荷重がプラスされてミスタイプも減り、ほどよく軽快に打鍵することができ、さらに軽すぎずに程よい滑らかさを感じられます。
スタビライザーの潤滑についても、Saizoは前作のHanzoよりも改善していて、大きなキーの打鍵も滑らかになっています。
スペースバーの潤滑も優秀ですが、特にバックスペースのキーが滑らかでとても良いですね。
配列はWindows専用
Shurikey SaizoはBluetoothでWindows・Mac・AndroidスマートフォンやiPhone・タブレットに接続できますが、修飾キーの配列についてはWindows専用となっています。
Macで使用する場合は、通常は下記のようなキーアサインになります。
キーボード上の印字 | Mac上での動作 |
Ctrl | Control |
Windows | Command |
Alt | Option |
この仕様はWindows専用キーボードをMacに接続した時の一般的な動作なので、特に珍しいことではありません。
Macで快適に使用するためには、キーアサインをソフトウェア側で変更する対応が必要になります。
ぼくはKarabiner-Elementsを使用しています。
一度設定してしまえば安定してキーマップを変更できるので、Macで使いたい方はぜひ設定してみてください。
参考までに、ぼくの設定状況はこんなかんじです。
スタンドは2段階調整可能
前作のShurikey Hanzoでは角度調整のスタンドがなく、本体上部のバンパーを立てることで高さ調整を行うことになっていました。
このHanzoスタイルは少し不安定に感じる時があるのと、ケーブルを接続しているとスタンドの調整ができなくなるという構造になっていました。
一方、今作のSaizoでは一般的なキーボードと同じように2段階調整できるキックスタンドが採用されています。
個人的には、こっちの方がやっぱり使いやすいですね。
低い方のスタンドにも滑り止めのゴム足が装着されており、安定感があります。
ゲーミングモードもあります
Shurikeyは、ゲーミングキーボードに分類されます。
一般的なゲーミングキーボードと同じように、
- Windowsキー無効化
- 反応が速い(5ms)ゲームモード
といった設定を行うことができます。
Bluetooth接続ではどうしても無線がボトルネックになりますが、反応速度重視の方は有線でゲームにも使えるキーボードになっています。
Windowsキーロックは、フル画面のゲームをプレイ中にWindowsキーを間違って押してしまい、ゲーム画面が非表示になるというトラブルを防ぐことができます。
ただのゲーミングキーボードではなく、Varmiloのスイッチを採用しているのは大きなアドバンテージです。
ゲーマーの中には、静電容量方式のREALFORCEを選択する方もいますが、スイッチの仕組みの根幹はREALFORCEと同じなので信頼性が高いです。Varmiloスイッチの場合はREALFORCEの仕組み+メカニカルスイッチの操作感の両方の良いところ取りをしているかたちです。
耐久性が高く、チャタリングが発生しない静電容量スイッチは、いつも確実な操作が求められるゲームにうってつけです。
惜しいところ
個人的に、今後に期待したいポイントは以下です。
- カスタマイズソフトウェアでキーマップの変更などができるようになると嬉しい
- せっかくノブがあるので、ノブの設定なんかも変えられると便利になりそう
- PBTキーキャップをオプションで選択したい。別売りでも良いのでPBTを作ってほしい
独自ソフトでもVIA対応でも構わないのでキーマップの変更や、ノブの動作の変更ができるようになると嬉しいです。
例えばKeychron Q2ではノブは音量のアップ・ダウンだけではなく、以下のような設定を割り当てることができます。
- 画像編集:拡大・縮小
- イラストソフト:ブラシサイズ変更
- 動画編集:タイムラインの拡大・縮小やフレーム送りの操作
- 動画編集:クリップファイルの音量調整
こういう操作が設定できるようになれば、もっと便利に使えると思います。
キーキャップについても、標準搭載のABSキーキャップのクオリティがかなり高いので、このクオリティを保ったまま本気でPBTキーキャップを作ったらどんなものができるのかという興味があります。
ぜひ今後に期待したいメーカーですね。
ちなみにVarmilo静電容量スイッチで初めてのタクタイルスイッチである「IRIS」という新作があるのですが、このスイッチがまだShurikeyでは選択できません。(本家Varmiloでもまだ一部の機種にしか搭載されていないのですが)
IRISスイッチが選択できるようになったら、こちらもぜひ使ってみたいですね。
こんな人におすすめ
Shurikey Saizoキーボードは、下記のような方におすすめできます。
- 改造とかメンテとか面倒くさい。ただ買うだけで最高の打鍵感を得たい
- 長く使っていくために、耐久性が高いキースイッチを選びたい
- レトロなセットアップが好き・デザインを見て惚れた
- リニアスイッチが好き
- タブレットやスマホなど複数の機器でVarmilo静電容量メカニカルスイッチを使いたい
- 仕事PCには無線で接続。ゲーム用PCには有線で接続。1台で両方まかないたい
こんな人はおすすめしない
逆に、下記のような方は価値を感じにくいかもしれません。
- 有線で使うので、バッテリーが入っていないほうが良い
- PBTキーキャップしか認めない
- もう少しシンプルで主張のないデザインが良い
- RGBバックライトが欲しい
- 無線キーボードでゲームをしたいのでUSBドングルが必須
- 自分の好きなスイッチに交換したい
- 金属の高級感のあるキーボードが欲しい
デザイン合わせのデスクマットも良い感じ
Shurikeyはキーボードのデザインが3種類あり、それぞれにフィットした配色のデスクマットも作っています。
今回はブラウンのSaizoを選択したので、デスクマットの色も合わせてみました。
かなり良い感じではないでしょうか?
厚みもしっかりしていて、巻きぐせもついておらず、多少の水滴なら弾いてくれる感じの素材です。
マウスの滑りについても、通常の使用においては非常に快適に使えます。
打鍵感が柔らかくなり打鍵音を抑える効果もあるので、デスクマットもぜひ一緒に使うことをおすすめします。
結論、かなり良い。長く使える相棒に
Shurikeyの第二弾キーボード、Saizoについて紹介しました。
Hanzoよりも確実にビルドクオリティが上がっていて、実際の打鍵音も改善されています。
Varmiloのスイッチの高い信頼性・耐久性を存分に味わえるキーボードになっていますので、
Saizoを1個買っておけば、仕事にもゲームでも長期間にわたって相棒になってくれるでしょう。
無線で使えるので、タブレットやスマートフォンとも兼用できるのもポイントです。
3色から好きなカラーを選んで、カラーに合わせて同じメーカーのデスクマットを揃えるのも良いですね。
シンプルで飽きのこないデザインなので、長く使えます。
今回はレビュー用に送っていただきましたが、そうでなくても買って後悔しないキーボードになっていると思います。
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