リモートワーカーの定番アイテムにもなっているAG03。
2022年には後継機となるAG03MK2が発売され、依然として品薄の状態になっています。
ぼくはこのAG03MK2を、仕事のオンラインミーティングで使っています。
しかし、せっかく高機能なミキサーなので、別の活用方法も見つけたい。
そこで今回はこれを使った、Nintendo Switchで友人とゲームをする際の接続設定を共有します。
AG03MK2を使って喋りながらゲームしたい
やりたいこと
- Nintendo Switchでゲームをしながら、MacのDiscordやFaceTimeなどの通話アプリで友人と通話をする
- ゲーム音とボイスチャットの音を1つのヘッドフォンから聴く
- ゲーム音とボイスチャットの音量バランスを調整する
配線接続
MacとAG03MK2をUSBケーブルで接続する
AG03MK2をMacに接続します。
付属のUSBケーブルはUSB-Aタイプなので、USB-Cに変換するアダプタを使うか
USB-C to Cのケーブルで直接つないでもOKです。
iPhone・AndroidスマートフォンとAG03を接続して通話をする場合は、
AG03に別途USB-Cケーブルで電源を供給します。
Macの設定を行う
AG03MK2は、Windows環境で使用する場合はドライバのインストールが必要ですが
Macの場合はドライバ不要で、接続するだけで認識されます。
Macの環境設定で、サウンドの入力・出力を両方ともAG03に割り当てておきます。
Mac自体の設定は変えずにDiscord側の設定で入出力デバイスを設定してもOKです。
アプリ側の設定が優先されるので、Mac設定を変えてもAG03から音が出ない場合は
Discordの設定を確認しましょう。
Nintendo SwitchとAG03MK2にオーディオケーブルを接続する
Nintendo Switchからの音は、3.5mmオーディオケーブルを使用して
AG03MK2の「AUX」ポートに接続します。
これにより、Nintendo Switchから出た音がAG03MK2に流れ込みます。
使っているオーディオケーブルはこちら。
STREAMING OUTスイッチを設定する
AG03MK2のSTREAMING OUTスイッチは、「DRY CH1-2G」を選択します。
こうすることで、通話相手には「マイクの音」だけを届けることができます。
通話相手にもNintendo Switchのゲーム音を聞かせたい場合は、「INPUT MIX」にしましょう。
(そんな場面あります?)
マイクを接続する
AG03MK2のマイク入力端子にマイクを接続します。
ダイナミックマイクの場合は単につなぐだけでOKですが、
コンデンサーマイクの場合はファンタム電源「+48V」をオンにします。
機器の故障を防ぐために、
- AG03MK2の電源オン・オフするときや
- ケーブルを抜き差しするとき
- ファンタム電源オン・オフの操作をするときは
すべてのボリュームをゼロにしておきましょう。
おすすめダイナミックマイク
ぼくも使っているSHUREのダイナミックマイク。
音を拾う範囲が狭いので、コントローラーの操作音が入りにくく、
声だけを高音質で届けることができます。
おすすめコンデンサーマイク
安価な定番コンデンサーマイク。
ダイナミックマイクより感度が高く、マイクを口元から遠くに設置する場合に適する。
ノイズ抑制はDiscord側の設定でおこなう。
マイクの接続にはXLRケーブルが必要
ケーブルはマイク専用のものが必要です。
0.5mという短いものもありますが、個人的には
マイクとAG03の位置関係を自由に決めやすい、2m以上のものがおすすめです。
ヘッドフォンを接続する
AG03MK2にヘッドフォンを接続します。
持っているヘッドフォンが標準プラグの場合、「MONITOR OUT」に接続します。
ぼくが使っているヘッドフォンはセミオープンタイプのAK240。
持っているヘッドフォンが3.5mmジャックの場合、
「HEADSET」のヘッドフォン側に接続します。
MONITOR OUTとHEADSETは同時出力できません。
両方に接続されている場合は「HEADSET」側が優先されます。
それぞれの信号のルート
これで接続は完了です。
それぞれの信号のルートは以下です。
- マイク音声 → AG03MK2 → Mac → 通話相手
- ゲーム音 → AG03MK2 → ヘッドフォン
- 通話相手の声 → Mac → AG03MK2 → ヘッドフォン
設定を間違っていると、例えば以下のようになります。
- MacまたはDiscordアプリの出力設定が正しくないと、相手の声がAG03に出力されません。
- STREAMING OUTスイッチが「INPUT MIX」になっていると、ゲーム音が通話相手に送信されてしまいます。
- STREAMING OUTスイッチが「LOOPBACK」になっていると、通話相手の声が通話相手に返ってしまいます。
AUX接続をすると「ブー」というノイズが入る場合
接続環境によっては、AUX接続をした時点で
ヘッドフォンから「ブー」というノイズが入る場合があります。
この症状の原因として考えられるのは、グランドループノイズです。
グランドループノイズとは
※専門家ではないので厳密には間違っているかもしれません
一連の機器が、ケーブルを通してループ状に繋がってしまっている状態で発生するノイズです。
例えば、以下のようなイメージです。
- Mac→USB-C→モニター→モニターAUX端子→AG03MK2→Mac
この例では、Macを充電しているモニターを介して、Mac・AG03・モニターが環状に繋がってしまいました。 - Mac→充電器→同じ電源タップ→Nintendo Switch→AUXケーブル→AG03→Mac
電源を介しても、グランドループが成立することがあるようです。
Mac→Nintendo Switch→AG03MK2→Macが、電源を介して環状に繋がっています。
この場合はMacの充電器をはずしてバッテリー駆動にすると解決したりします。
このように、種類の違うケーブル(USBケーブル・AUXケーブル)であっても
全体としてみたときにケーブルで環状に繋がってしまうとき、
オーディオにノイズが乗るようになります。
グランドループノイズの解決策
ループ状態を解除する
Macをバッテリー駆動にする、ループにならない接続方法に変えられないか検討する
グランドループアイソレータを使う
グランドループアイソレータとは、
AUXケーブルの出力側に噛ませることで、グランドループノイズを軽減する装置です。
Nintendo Switchのポートに接続しておく感じですね。
これを使うと少し音量が下がりますが、ブーというノイズは大幅に軽減することができます。
使い方
音量調整のしかた
この接続方法の音量調整には少しコツがいります。
理由はおもに「AG03MK2には、AUX入力の音量調整機能がない」ためです。
おすすめの音量調整手順は以下です。
- Nintendo Switch側の音量を60%くらいにする
- AG03MK2のレベルつまみを操作して、PCからの入力音量を80%くらいにする
- AG03MK2のヘッドフォンつまみを操作して、徐々に音量をあげていく
まずはこの手順で、聞こえ方を確認しましょう。
その後、好みに合わせて調整していきます。
- ゲーム音が大きすぎる場合→Nintendo Switchの音量ボタンで音を下げます
- チャット音が大きすぎる場合→レベルつまみを回してPCの音量を下げます
基本的にはこれで問題ないはずですが、次の問題が気になる人もいるでしょう。
マイクに入った自分の声の返しが大きすぎるとき
AG03MK2にヘッドフォンとマイクを接続して話をしていると、
自分の声が自分のヘッドフォンから聞こえる(サイドトーン)機能があります。
上記の設定方法では、自分の声が大きく聞こえすぎる時があるかもしれません。
そんなときは、「MONITOR」のつまみを下げて、
まず自分の声の返しが許容できる音量になるまで下げます。
その後、ゲーム音が小さければNintendo Switch側の音量をあげて行き、
チャット音が小さければレベルつまみでPCの音量を上げていきましょう。
自分の声の返し(サイドトーン)の音量は、マイク音量とMONITOR音量に依存します。
相手に届けるマイク音量が決まっている状態で、サイドトーンの音量を下げるには
「MONITOR」の音量を下げるしかありません。
上記の考え方で、良いバランスを探して試行錯誤すると良いでしょう。
最適ではないが、汎用的
Nintendo Switchでゲームしながら通話をするために、
AG03MK2をつないで使ってみました。
AG03MK2はあくまでストリーミングミキサーであって、ゲームチャットミキサーの機能が充実しているわけではありません。
例えばMIXAMP Proではもっとシンプルな構成でゲーム・チャット・サイドトーンの音量バランス調整が可能です。
でも、プロゲーマーでもない在宅勤務サラリーマンが手持ちの機器でゲームとボイスチャットをするために、AG03MK2は十分に使えるということがわかりました。
ちなみに、この仕組みを悪用すれば、会社のオンライン会議をしながら
自分の好きな音楽をAUX端子に流し込むことで、相手にバレずに会議にBGMを設定できます。
ただし、間違ってINPUT MIXになっていたら、
ミーティング相手に自分の好みの音楽を布教することになりますので、実行するなら
入念に動作確認(テスト会議の録音とか)をしたうえで、自己責任でお願いします。
以上、参考になれば幸いです。
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