ダイナミックマイクの音量が足りないならプリアンプを使おう

オーディオ
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在宅勤務環境を整えるときに気になるのが、ZoomやTeamsなどで会話するときのマイク。

イヤホンマイクを使っている人も多いですが、どうしても周囲のノイズを拾いやすかったり音質がよくなかったりと、課題があるまま会議に臨んでいる人も多いのではないでしょうか?

そんな中で、じわじわと市民権を得ているのが、「オーディオインターフェース+外部マイク」の構成。

ぼくのデスクでは、ヤマハのAG03MK2SHUREのMV7の組み合わせを使用しています。

ところがMV7というダイナミックマイクにはどうしても音量の面で課題がありました。

今回はダイナミックマイクの高音質ををより活かせるセットアップを完成させるためにマイクプリアンプを導入しましたので紹介します。

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TRITON AUDIO マイクプリアンプ 

SHURE MV7にTRITON AUDIOのプリアンプを刺した状態

そもそもプリアンプとは?

そもそも「アンプ」という言葉は「amplifier=増幅する」から来ていて、文字通り音を増幅する機械です。

そして「プリ」は、対象の前にあることを意味する言葉です。

つまりプリアンプとは「事前に増幅する」機械であると言えます。

なぜプリアンプが必要なのか?

プリアンプを使う前のAG03の音量ツマミ。左下のフェーダーは最大に、隣のGAINツマミも最大になっている

ダイナミックマイクにプリアンプが必要な理由は以下です。

  1. ダイナミックマイクは音量が不足しがち
  2. 不足する音量を電気の力で増幅することで、音量を確保できる
  3. 増幅することによって、ミキサーで無理に音量を持ち上げる必要が減り、ノイズが減る

ダイナミックマイクは音量が不足しがち

ダイナミックマイクは、音の振動をダイアフラムという振動板に当てて、その振動をキャッチすることで音を記録しています。

ダイナミックマイクは一般的に「大きな音にも対応できる」かわりに「同じ音量の環境でも、コンデンサマイクより小さく録音されてしまう」という特徴があります。

実際にAG03MK2にMV7を接続したときは、ゲインもフェーダーも両方ともMAXにしておかないと相手に声が聞こえていないことがあったほどです。

対義語ともいえるコンデンサマイクでは、このダイアフラムに電気をためておき、微弱な音でも電気のゆらぎが発生し、それをキャッチすることができるので繊細な音を録音することができます。

音量を確保できると余裕が生まれる

プリアンプを使うことで、ダイナミックマイクの小さな音の信号を増幅して、オーディオインターフェースに送り込むことが可能になります。

これによって、AG03MK2の音量設定は最大にしなくても大丈夫になり、ほどほどの設定でしっかりと相手に声が届くようになりました。

ノイズが減る

音を増幅することで得られるメリットとして、オーディオインターフェースで無理やり音量をあげなくて済むようになった点があげられます。

オーディオインターフェースのアンプ機能は製品ごとにまちまちですが、多くの場合、ダイナミックマイクと組み合わせたときにパワー不足を感じる製品が多いです。AG03MK2でも音量設定を最大にする必要があり、機械にとても無理をさせている状態となります。

パワー不足のオーディオインターフェースに無理をさせている状態で最大まで音量を持ち上げようとすると、その分ノイズが発生しやすくなります。

一方でプリアンプを接続しておくことで、オーディオインターフェースに無理をさせずに音量を確保することができるので、ノイズ抑制に一役買ってくれます。

ファンタム電源を供給する

AG03MK2のファンタム電源を入れると、「+48V」ランプが光る

マイクプリアンプは、オーディオインターフェースからファンタム電源を供給することで動作します。

要は「プリアンプに電気をためて」、「電気の力で信号を増幅する」ということです。

ファンタム電源はUSBバスパワーで動作しているオーディオインターフェースでも普通に使える微弱な電源で、通常はダイナミックマイクに対して使用することはありません。(コンデンサマイクを使うときはファンタム電源が必要)

取り付けるデメリットは1つ

さて、ダイナミックマイクの音量をアップし、ノイズ抑制に効果を発揮してくれるプリアンプですが、接続することによるデメリットはあるのでしょうか?

結論としては、1点だけ実際に使ってみたデメリットがあります。

マイクの後ろに飛び出すので取り回しが少し難しくなった

マイクに直接刺すタイプのプリアンプなので、余分なケーブルが不要な代わりにマイクが伸びる

MV7のXLR端子は、「話者に対して向こう側」のお尻側にあります。

TRITON AUDIOのマイクプリアンプは、
ケーブルを使わずマイクに直接つなぐタイプなので、マイクが単純に長くなります。

これによって、若干マイク自体の存在感が増します。

また、マイクアームの耐荷重や、ヒンジの保持できる重さによっても、マイクの位置決めがしにくくなったりする可能性はあります。

ぼくが使っているBlueのCompassでは、きちんと関節の強さを調節すれば問題なく使えています。

プリアンプ導入後のAG03MK2の音量設定。適切な範囲にツマミが収まっている

まとめ。ダイナミックマイクの音量不足に悩む人に必須

ダイナミックマイクはとても優れた音質と、周囲のノイズも拾いにくい特性もあって、
家族のいる中でのオンライン会議や、空調などのノイズをできるだけ抑えた録音ができるような環境を在宅で整えるために、ダイナミックマイクはとても役立ちます。

ダイナミックマイクの弱点である「音量不足」を補うためには、プリアンプを使うのがもっとも確実です。

在宅の音響環境をアップグレードし、他の人とは一味違う音質で会議や商談に望めば、あなたの話が相手によりよく伝わることでしょう。

ぼくはデスク環境の仕上げに、プリアンプを買って良かったと思っています。とてもおすすめです。

コメント

  1. 山瀬 より:

    初めまして
    ag03マークIIとSHUREmv7とご紹介されているプリアンプを購入した者です。
    プリアンプをかませると一応マイクの音は入るのですが音質がとても悪く、プリアンプをかませないと音も入りません。MV7のランプも転倒しません。ケーブルなどどこかしらに不具合があるのでしょうか?
    ちなみにMV7は今までちゃんと使えていました。
    もしよろしければアドバイス頂きたいです。

    • Tom より:

      1.MV7をXLRケーブルで接続したときは、プリアンプのあるなしに関わらず、ランプは点灯しません。
      2.プリアンプをかませる場合、AG側のファンタム電源を入れる必要があります。
      3.プリアンプなしの場合、ダイナミックマイクであるMV7はファンタム電源を使いません。

      状況を見ずにヒントとしてお伝えできるのはこのぐらいでしょうか……すべて確認しても改善しない場合、XLRケーブルの問題かもしれません。

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