サムネイル画像:FINAL
近年、オーディオ業界においてその名を馳せるオーディオブランド「FINAL」は、優れた製品を次々とリリースしています。特に、その手頃な価格帯にもかかわらず、高音質なサウンドを提供するE500は、ASMRやバイノーラル録音といったオーディオコンテンツを楽しむリスナーの間で、非常に強い支持を受けています。
この記事では、FINALの完全ワイヤレスイヤホン「ZE」シリーズの中でも、特に注目を集めるフラッグシップモデル「ZE8000」に焦点を当てていきます。
ZE8000はその優れた音質で知られ、多くのオーディオファンから高評価を受けています。
FINALとは:「オーディオ」への深いこだわり
近年、完全ワイヤレスイヤホン市場は急速に拡大し、デジタルガジェットやウェアラブルデバイスとしての側面が強くなっています。
通話機能やノイズキャンセリング、バーチャルアシスタントといった機能が盛り込まれている製品が多く存在します。
しかし、FINALの製品群は、これらの「ガジェット」的な機能を意図的に抑え、音楽を聴くための純粋なオーディオデバイスとしての性能に焦点を当てています。
不便さを解消する待望のアップデート
しかしながら、これまでのFINALの製品には、2台以上のデバイスに同時接続が可能なマルチポイント接続といった機能が搭載されていなかったため、時折、他のデバイスと比較して不便を感じる瞬間がありました。
例えば、AppleのAirPodsはiOS/iPadOS 17以降、異なるデバイス間での接続切り替えが非常にスムーズに行えるようになりましたが、このような利便性について一歩劣るというのが正直な使用感でした。
ZE8000にマルチポイント接続がついに実装
このたびFINALから、ZE8000にマルチポイント接続機能を追加するアップデートが提供されることが発表されました。このアップデートは2023年10月20日正午から利用可能となります。
これにより、ZE8000はさらに普段使いしやすくなり、使用頻度が劇的にアップすると思います。
マルチポイント機能の利点
マルチポイント機能を利用すると、最大2台のデバイスに同時に接続し、接続先をスムーズに切り替えることが可能になります。
この機能は専用のアプリから設定でき、接続先の管理も簡単に行えます。
接続先のデバイスから音声が再生されると、そのデバイスに自動的に切り替わる仕組みです。
例えば、スマートフォンで音楽を聴いている最中に、パソコンからの通話が入れば、通話が終わると音楽に戻るという使い方が可能です。
これにより、ZE8000の使用頻度が格段に上がることが期待されます。
実際にアップデートしてみた
10月20日、さっそくZE8000のファームウェアアップデートに挑戦しました。
最初にAndroid端末(Pixel Fold / Android 14環境)で試したところ、アップデートの最後のプロセスでアプリが突然落ちてしまい、アップデートが中断してしまいました。
ちょっと焦りましたが、仕方ないのでiPhoneにペアリングして再度挑戦したところ、今度はスムーズにアップデートが完了しました。
デバイスによってアップデートの安定性に差があるようです。
マルチポイント機能はかなりスムーズに動作する
アップデートが完了したので、早速マルチポイント機能をテストしてみました。
使用環境はiPhone15 Pro Max(iOS17)とPixel Fold(Android14)です。
最初にiPhoneで音楽を流し、その後再生を止めてPixel Foldで音楽を流してみたところ、
オーディオソースの切り替えが非常にスムーズに行えました。
正直、これほど快適に動作するとは思っていなかったので、驚きました。
音質とのトレードオフは無さそう
例えばSONYのヘッドフォンなどの一部の機器ではマルチポイントをONにするとLDACが使えないなど、音質を犠牲にして利便性を向上させるような動きをするデバイスがあります。
しかしZE8000ではマルチポイント機能をONにしても、接続先のデバイスが対応していればaptX Adaptiveのような高音質コーデックを使用できることが判明しました。
(正直あまり聴き分けできる自信は無いのですが、設定上はそのようになっています)
そして、音質をアップグレードする「8Kオーディオ」の設定も有効になっているようです。
魅力的になったZE8000
このマルチポイント機能の追加によって、ZE8000はさらに魅力的な製品になりました。
FINALがデバイスを発売後にアップデートするケースは個人的に初めての体験だったので、今後のFINAL社のユーザー体験の向上への取り組みがどのような楽しみを提供してくれるのか、今から非常に楽しみです。
残る課題は操作感
ZE8000は、本体をタップすることで再生/停止、右をダブルタップで音量アップ、左をダブルタップで音量ダウンなどの操作を行うことができます。
このような操作は最近のワイヤレスイヤホンでは一般的なものですが、ZE8000の場合はこの操作をカスタマイズすることができません。
この部分を自在に設定できるようになれば、ガジェット的な利便性の面においても高水準と言える操作感になると思います。
コメント
ZE8000は以前使っていたが、
・マルチポイントでなくても出来るペアリングの切り替えができない。
・本体の電源がオフになると、本体のタップなどで電源をあげることが出来ず一度ケースに戻さないと電源が上がらない。
・カスタム要素がかなり少ない
ことが厳しいと感じた。
コメントありがとうございます。
個人的にはケースから出したまま電源が切れるシーンを経験したことがなく、カスタム要素もあまり活用していないので、新しい視点でした。
ペアリング周りは本当に最低限1台のデバイスで使う想定、バッテリーの持続時間も長くなく小まめにケースに戻す想定、イコライザの設定もあくまで微調整で地力で勝負、といったかなり尖ったプロダクトですよね。
僕自身もしばらく使っていませんでしたが、このアップデートを気にちょっと使ってみようかと思いました。