HHKB Studioを使ってわかった、HHKB Professional HYBRID Type-Sの良さ

HHKB
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HHKB Studioを購入して2週間ほど経過しました。

これまでレギュラーだったHHKB Professional HYBRID Type-Sと比較しながら使っていますが、現状ではHHKB Professional HYBRID Type-Sの良さをますます実感する結果になりました。

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HHKB Professional HYBRID Type-Sは良いぞ

HHKB Professional HYBRID Type-Sの良い点

HHKB Studioを使ってみてわかった、HHKB Professional HYBRID Type-Sの良い点は以下。

  1. 軽い
  2. 最低限の装備で無駄がない

順番に見ていきます。

軽い

電池を入れた状態で600g弱。軽くはないが、持ち運べる範囲

HHKB Professional HYBRID Type-Sは、単三電池2本を入れた状態で587gと、このプロファイルのキーボードとしては非常に軽量です。

587gということは、600mlのペットボトルより少し軽い程度の重さですから、カバンのサイズさえ許せば持ち運べる重さです。実際に持ち運んで使っています。

電池を入れると1キロ近い

HHKB Studioは実測で913gですから、持ち運びが辛くなる重さです。
その差は326g。
ケースをつけたiPhone15 Pro Maxや、Pixel Foldの1台分の重量差があります。
HHKB Studioではポインティングスティックによるマウス機能が使えると言っても、マウスは軽いもので100gを切りますから、マウス機能に300gを割くのは運搬面でのコスパが悪いです。
なんなら、手元のMX ERGOという重量級のトラックボールですら、300gに満たない重量です。

つまり、HHKB Professional HYBRID Type-S+MX ERGOの組み合わせより、単独のHHKB Studioの方が重いということです。
やはりHHKBユーザーたるもの、矢印キーすらも切り捨てる、血も涙も無い合理性を貫いてこそ。
ポインティングスティックが最良の選択肢であるならばまだしも、トラックボールやマウスの高機能機種よりもポインティングスティックを使った方が使用感が良くなり生産性が上がる、という人は限られるのではないか。という感覚があります。

どこでも同じ環境を構築できる要素として、HHKB Professional HYBRID Type-Sの軽さは大きなメリットです。

最低限で無駄がない配列

HHKBを使っている方には共感いただけると思うのですが、HHKB配列はキー数が少なくて無駄がないので、打ち間違いが減るんですよね。
全部のキーが手中に収まっている感じというか、無理なく届くところにすべてのキーがあるので、迷いなくキーを叩いていくことができます。

一方で、HHKB Studioではどうかというと、

  • G,H,B キーの間にポインティングスティックがある。タイピング時にはそれを回避する必要がある
  • マウスボタンを親指で操作するため、親指の作業が多忙になって混乱する
  • 側面のジェスチャーパッドを使うときは、手をホームポジションから離す必要がある

このように、最低限の枠から「ちょっとオプション」の要素が増えてきます。

かつて「テニスの王子様」で手塚部長は相手のボールがすべて自分の射程圏に返ってくる謎の力「手塚ゾーン」を使っていました。
HHKB Professional HYBRID Type-Sが手塚ゾーンだとすると、HHKB Studioは菊丸の一人ダブルスのような忙しさがあるわけです。(個人の感想です)

せっかくポインティングスティックを用いて「手を動かさずに済みますよ」と謳っていながら、ジェスチャーパッドを使う場合は思いきり手を動かす必要がある、というジレンマを持っています。

HHKB Studioはちょっと忙しい

HHKB Studioの不思議なデザイン

ここでいうデザインというのは見た目の話ではなく、機能面の特性を列挙したときに並ぶ、「どのように使われる、どのような製品か」というゴールを規定したもの、という意味です。

HHKB Studioは、以下のような特性を持っているキーボードです。

  • ポインティングスティックとマウスボタンがあり、ホームポジションから手を動かさずに済む
  • ジェスチャーパッドがあり、有機的な入力操作で矢印キーやアプリ切り替え、音量の上げ下げなどが可能である。左右と手前側面にある平面部分をなぞって操作する
  • プロファイルを4つまで設定でき、さまざまなシーンや機器に対応できる
  • キーマップを自由に変更し、自分だけの使いやすい設定を模索できる

で、これをよく見ると、先述の通り「ポインティングスティックを使って、手を動かさずに操作できる」という機能と、「ジェスチャーパッドで直感的に入力が可能」という機能は、若干コンセプトが別のように思います。
なんだか、2つの部署の人が「こんな機能があったらいいでしょ」を別々に考えて持ち寄った結果、両方が採用されたかのようなちぐはぐさを感じます。

そもそも全部の機能は使わなくていいけど

もちろん、「製品の機能のうち、ユーザが自分で好きな使い方を選べる」というメリットはあります。

例えばiPhoneを購入したからといって、必ずしも全員が「株価」や「ホーム」のアプリを使うわけではありません。
同様に、HHKB Studioの機能のうちジェスチャーパッドだけを使わない・マウス機能を使わない。という選択肢があることは間違いありません。

ただ公式のビジョンがわからん

実際、公式のPVでも荒野で踊りながらHHKB Studioを操作する陽気なニーチャンが登場します。あのシーンが何をしているシーンなのか皆目検討がつきませんが、なにやらああいった用途が想定されているのであれば、ぼくの理解の及ばない世界があるのでしょうか。

例えば、動画編集でジェスチャーパッドを使って、何らかのパラメータを適当にギュイーンっと上げ下げすることってあるんでしょうか?
個人的に多少YouTube動画を作ったことはあるのですが、たとえば音量を調整したいときは「適当にギュイーンっと下げる」とかではなく「マイナス13db」のようにパラメータを数値で入力した方が、毎回ちゃんと同じ品質の動画ができます。

同じように、写真の明度や彩度を変更するといった操作も、ジェスチャーで適当にギュイーンって行うものではないですよね。

不思議です。

これからHHKBデビューする人はHHKB Professional HYBRID Type-Sを

ガジェット界隈には、往々にして「どうせなら最新のやつを」という風潮があります。

ことHHKBに関しては、公式も明言している通り、「HHKB StudioはHHKB Professional HYBRID Type-Sの後継機種ではなく、別ラインである」ことを強調しておく必要があります。

で、HHKBが必要な多くの人にとって、HHKB Studioは「ただ迷わせる存在」であると言えます。

HHKBは、かならず最初の導入コストがかかります。US配列を選択した場合、Ctrlキーの位置やBackSpaceキーの位置が違うだけでなく、矢印キーまでも排除された独自の配列に慣れないといけません。
以前の記事でも言及したように、HHKBはその「慣れる」過程に「自分で決めた配列・ショートカット」を混ぜることによって、「メーカーの決めた設定を丸暗記しなくてよい」というメリットはあるものの、そもそもの使い方が難しい種別のキーボードです。

そんな中に、さらにジェスチャーパッドとマウスボタン、ポインティングスティックまで搭載されていて、それがカスタマイズできるとなると、明らかに過剰です。

ただHHKBに馴染むだけで精一杯の初心者が、さらに多くの操作を覚えることを要求されるのは、挫折してしまう要因になると思います。それは勿体無い。
HHKBの良さを本当に最低限、無駄なく実感するためにも、HHKB Professional HYBRID Type-Sをおすすめしたいです。

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