無線・有線で使えて、Hot-Swapでキースイッチが自由に交換できるキーボードとして一斉を風靡したKeychron。
ぼくもKeychron K8を最初に購入してから、数え切れないほど沢山のキーボードを購入してきました。
今回リリースされたQ1 Proは、すべてのKeychronキーボードの良いところをすべて集約した完成形となりました。
Keychron Q1 Pro
Q1 Proのここがすごい
- 高級なアルミボディと無線の両立
- 有線バージョンのQ1のフィードバックを反映したビルドクオリティ
- 歴代最高のプリセットキーキャップ
- カスタマイズが自在
高級なアルミボディと無線の両立
Keychron Q1 Proは、フラッグシップであるQ1の質感をそのまま保ちつつ、Keychronの特徴であるBluetoothによる無線接続に対応した「新・フラッグシップ」となっています。
通常、アルミ筐体ではBluetoothの接続が担保できませんが、Q1 Proでは全面に通信のための孔を開けることで対応しています。
この構造自体は特に目新しいものではなく、IQUNIXのメタルキーボードでも無線通信用の孔は採用されていました。
Bluetooth 5.1
Bluetoothのバージョンは 5.1となっていて、無線での接続は安定しています。
たとえば一部のBluetoothキーボードでは、キーボードの近くにスマートフォンがあると干渉してしまい、接続が不安定になることがありましたが、Q1 Proを使用している限りではそのような不便さは感じていません。
なお無線接続をしているトラックボールとの併用も試していますが、干渉せず問題なく使えています。
有線バージョンのQ1のフィードバックを反映したビルドクオリティ
Keychron Qシリーズの特徴は、高いビルドクオリティです。
初代Q1ではアルミの反響音が響いていたり、トップケースのサイズがシビアすぎて一部のキーキャップが入らない、などの問題もありました。
すべてのキーキャップを試したわけではないので当然わかりませんが、この問題はQ1のVer.2くらいでやや改善していた記憶があります。
Keychronは多くのYouTuberによってレビューやMOD(改造)され、実質的な改善提案が大量に集まったことで、凄まじい速度で製品の改善を回していきました。
Q1から始まったフラッグシップラインも、実はQ2、3とナンバリングを経て徐々に改善が重ねられてゆき、それらの改善の集大成が今一度、Q1 Proに戻ってきたと言えます。
やっぱり主人公つえ〜。となるアレに似てる
アニメとかを見ていると、
- 主人公が強い
- あとから出てきたライバルやら、敵のインフレがすごい
- 主人公の能力ではちょっと厳しくなってくる
- 主人公が修行/覚醒するなどして、インフレした作中世界のトップに君臨する
みたいな流れって結構あるじゃないですか。
今回のQ1 Proを見ていると、そうやって覚醒した主人公を見ているようでワクワクします。
歴代最高のプリセットキーキャップ
Qシリーズをフラッグシップとしてみたときに、どうしてもぼくが許せなかったのがプリセットされているキーキャップでした。
ダブルショットではあるが内側を見るとお粗末な成形で、ぺらぺらにも程がある。PBTなのに使用しているとテカってくる。
そんな「ダブルショットPBT」の最底辺だった純正キーキャップから一新、
Q1Proには「ちゃんとしたダブルショットPBTキーキャップ」が着いてきたから驚きました。
KSAプロファイル
今回採用されたキーキャップは「KSA」プロファイルです。
プロファイルの命名規則は特にありませんが、だいたい3文字のうち「1文字目が高さ」「2,3文字目が形」を表しているような気がします。※個人の感想です
で、KSAプロファイルというのは従来のQ1の「OSAプロファイル」に比べて高さがあって、その分質量もあるため打鍵音がどっしり落ち着いた音になるのが特徴です。
さらに「SA」とつくプロファイルはキートップが丸く窪んでいる形状のため、指が吸い付くようにキーの中心を押すことができます。
Cherryプロファイルに慣れていると最初は少し戸惑うかもしれませんが、KSAプロファイルは高級キーキャップの形状として十分にすぐれたチョイスだと言えます。
「ちゃんとした」ダブルショット
見てください、この二層目までぎっしりのダブルショット構造。
これですよ。ダブルショットというのは。以前のやつはダブルショットではありません(暴論)
ちゃんと二枚分の厚みがあってしっかりとした打鍵感が得られます。
カスタマイズが自在
VIAやREMAPでカスタマイズ
Q1 ProはVIAやREMAPを使ってカスタマイズすることができます。
カスタマイズする際は有線での接続が必要ですが、それはどんな無線キーボードでも同じです。
むしろ、無線でも使えるキーボードがVIAにも対応しているという時点でなかなか画期的で、KeychronがK8 Proを世に出してから後発がもっと増えると思いましたが全然増えていないのが不思議なくらいです。
Hold/Tapが唯一無二
REMAPの設定範囲は驚異的で、特に他のカスタムソフトに比べて優れているのが「Hold/Tap」機能です。
その名の通りHold(長押し)と、Tap(短押し)を使い分けることができる機能で、ぼくはスペースバーの左右のCommandキーを「短押しで英数/かな」「長押しでレイヤー移動」に割り当てています。
これによって、特に左のCommandキーをHHKBのFnキーのように使うことができ、さらに英数/かなの切り替えボタンも兼ねている最強のキーが誕生します。
ちなみに場所を奪われたCommandキーは「Aの左」です。HHKBでいうところのControlキーの位置ですね。
MelGeekの「KBTools」も、カスタムソフトウェアとして良い線いってるんですが、このHold/Tap機能は無いため、REMAPに圧倒的なアドバンテージがあります。
Hot-Swapでカスタマイズ
Keychronの特徴は、Hot-Swapに対応した無線メカニカルキーボードであるという点です。
もはや「無線×Hot-Swap」の代名詞といっても良いでしょう。
もちろんQ1 ProもHot-Swapに対応していて、簡単にスイッチを交換することができます。
分解用の工具も付属しているので分解自体は難しくないのですが、スイッチ交換を行うときにハンダづけを外す必要がないので圧倒的に簡単にスイッチ交換ができます。
K Pro Bananaスイッチが選べたので交換の必要性はなかった
ぼくは最初からタクタイルスイッチの「Keychron K Pro Banana」をチョイスしたので、そのまま使っています。
このスイッチはHoly Pandaスイッチに近いアーリータクタイルスイッチで、通常のタクタイルスイッチよりもサクサク感が強く、指を置いているときにキーが沈んでしまって誤入力される危険性が減少します。
Pre-Lubed(工場で潤滑済み)ですぐに滑らかに打てます。
サクサクと小気味よい打鍵感でお気に入りです。
弱点は?
Keychron Q1 Proの弱点は、強いて言えば以下。
- バッテリー充電式なのでいつか寿命は来る
- USB2.4Ghz無線接続に対応していない
- 無線接続先が3つだと少し心もとない
バッテリーが充電式
充電式のバッテリーは、どうしても消耗品であるという側面からは逃れられません。
充電式バッテリーである時点で、その道具は「10年使える」といったアイテムではなくなってしまう可能性が高いです。
技術の進歩によって、現状のリチウムイオンバッテリーを置き換える高機能かつ劣化しないバッテリーが開発されたり、時代の流れによってKeychronから「交換用バッテリー」なんかが発売されたら話は変わってきますが、現状はいつか寿命が来る製品であることは間違いありません。
USB2.4Ghz無線接続に対応していない
Keychron Q1 Proの無線接続方式はBluetooth5.1で、USBドングルによる接続には対応しません。
Bluetoothが搭載されているPCであれば問題ないのですが、一部のデスクトップPCではBluetoothが搭載されていない機体があったり、環境によっては接続が不安定になることもあるため、USB無線接続が選択できるとより一層利便性が高くなります。
無線接続先が3つだと少し心もとない
Keychronに限らず、多くの無線キーボードは接続先が3つ登録できます。
一方で、MelGeekの無線キーボードは8台ものペアリングに対応します。
8台はさすがに多すぎますが、4つ程度は登録できても良いかなと思います。
- プライベート用PC
- 仕事用PC
- タブレット
- スマートフォン
このくらい登録できるとありがたいですね。
迷ったら買ってOK
Keychron Q1 Proは、これまでのKeychronの進化をすべて凝縮した集大成です。
この機能のキーボードが組み立て済み完成版で199ドルというのは破格のコスパであると言ってよいでしょう。
仮に1ドル140円だとしても28000円、送料がかかっても30000円程度。
REALFORCE R3やHHKBよりも安価に最強フラッグシップが購入できるということになります。
メインのキーボードとして最強の1台を探しているなら、ぜひオススメの1台です。
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