こんにちは。Tomです。
一人暮らし独身、一般企業で在宅勤務サラリーマンをしています。
さて、今回は念願の分割キーボードを手に入れましたので、レビューをしていきます。
この記事の結論:
Amazonで購入できる分割キーボードは、姿勢が良くなり正しい運指でタイピングできる
Keyboard Quantizer bを併用すると超便利になった
慣れるまではかなり辛いので導入には気合いが必要
Mistel Barocco MD600v3レビュー
キーボードを打つ姿勢は身体によくない
左右分割型のキーボードのメリットを紹介するにあたって、通常のキーボードでの問題点をおさらいしておきます。
通常のキーボードでは、左右の手が中央に寄せられるため、
- 手首が外側に曲がった不自然な姿勢になる
- 肩が内側に入った姿勢になり、肩こりや首コリ、猫背の原因になる
といった問題がありました。
長時間続けていると肩が凝ったり頭痛がする方も多いと思います。
実際にぼくも、肩の内転によって発生する腰痛と首の痛みに悩んでいたことがありますが
整体に行って肩を治して貰ったところ腰痛と首の痛みが改善したことがあります。
エルゴノミクスキーボードというジャンル
姿勢が悪くなり全身のゆがみが出てくると、首・腰・肩が一気に連鎖的に不調に見舞われるようになります。
それを解決するために、Microsoftは以前から「ハの字」にカーブした形状のキーボードを販売しています。
最近ではロジクールからもエルゴノミクスキーボードが販売されています。
このようにハの字型になったキーボードとは異なり、自分で左右の手の場所を決めることができるのが
左右分割型のキーボードの特徴です。
分割キーボードのメリット
ハの字型エルゴノミクスキーボードに比べて、分割キーボードは下記のメリットがあります。
- 幅や角度など、自分にあわせて柔軟にセッティングすることができる
- 間にモノを置くことができる
このように左右分割キーボードには独自のメリットがあります。
そこで今回は、分割キーボードの中でも比較的安価に入手できる「Mistel Barocco MD600v3」を購入しました。
基本スペック
Mistel Barocco MD600v3の基本スペックをまとめておきます。
- Cherry MXスイッチから選択可能
- Hot-Swapなし
- USB有線接続のみ
- 60%コンパクト配列
- Windows用配列のみ
- キー操作によってカスタマイズが可能
- 専用ソフトウェアなし
- 二段階のキックスタンド
- 左右片方ずつ単独で使用可能
良いところ
スペック紹介はそこそこに、実際に使ってみた感じをレビューします。
今回ぼくは初めて分割キーボードを使ったので、なかなか新鮮な体験でした。
まずは、使ってみてよかったところを紹介します。
左右の運指を矯正される
左右分割キーボードは、当然ですが左右が分かれているので
右手で打鍵するキーと左手で打鍵するキーがはっきりと分かれます。
これによって、これまで癖になっていた運指が改善できます。
通常のキーボードでは「T ,Y ,G ,H ,B」あたりのキーはどちらの指でも押せてしまうので
自然に癖で打鍵していることがあります。
しかし分割キーボードでは「Y」を打つなら右手の人差し指しかないという状況が生まれます。
これに慣れれば、正しい運指が身につきます。
姿勢がまっすぐになる
分割キーボードのメリットとして姿勢が良くなることを紹介しました。
実際に使用し、姿勢がグッと良くなりました。
肩を内側に寄せなくて良いので、猫背も改善できそうな気がしてきます。
また肩が内転すると呼吸が浅くなるため、姿勢が改善することによって脳の回転も良くなることが期待できます。
シンプルに気持ちの良い姿勢で打鍵できます。
ちなみにスタンディングデスクと組み合わせると、いわゆる「仁王立ち」でタイピングできます。
間に物が置ける
ぼくが分割キーボードを選んだ一番の理由が「間に物が置けること」です。
間に下記のようなものを置いてみて、使い勝手を見てみたかったのです。
- Magic Trackpad
- iPad(メモ用)
こういったものを真ん中に置いておくと、デスクのスペース節約をしながら良い姿勢で作業ができます。
ちなみにこのキーボードはWindows用ですが、Karabinerを使用することで問題なく使用できます。
付属のコイルケーブルは少し短いので交換してもよい
MD600v3の左右ユニットを接続するために付属しているコイルケーブルは30cmほどとなっています。
ちょっと短いので、そのままではMagic Trackpadを設置するとカツカツになります。
ですが、左右のユニットを接続しているケーブルはUSB-Cですから、別のケーブルに取り替えて使うことができます。
ぼくの場合は、ANKERのUSB-Cケーブル(1000円くらいで買ったもの)を接続すると使用することができました。
これで、左右の距離を割と自由に調整して、間に置きたいものを置けるようになります。
左右のケーブルが独自仕様ではなく、汎用性のある仕様になっているのが良いですね。
微妙なところ
実際にMD600v3を使ってみて、微妙だと思ったところもまとめておきます。
- キーマップ変更ソフトが無く、キーボード上だけで操作して設定する必要がある
- Fnキーを軸とした機能が多いが、Fnキーは任意の1箇所にしかセットできない(複数セットできない)
- キックスタンドを立てると結構ぐらつく
- 打鍵音がチープ。バネの金属音も結構気になる
- Hot-Swapではないため、ルブするには分解が必要になる
キーマップ変更ソフトがない
MD600v3では、キーの設定を変更して特定のキーを別のキーにしたりマクロを割り当てて使うことができますが、すべてキーボード上の操作で設定を行う必要があります。
そのため、
- 正しく設定できているか確認することが難しい問題
- 現在の設定状況を見ることができない問題
などがあります。
さらに一度Fnキーの場所を変更してしまうと、変更先のFnキーを使って別のキーを設定する必要がある点も混乱のもとになります。
Fnキーは1個しか設定できない
MD600v3は60%キーボードですから、矢印キーやFキーが配置されていません。
で、Fnキーと他のキーの同時押しでそれらの機能を使用するわけですが、Fnキーを左右に配置することができません。
できるのは、1つのFnキーを別のところに移動することだけです。
よって、左側にFnキーを持ってきてしまえば、右手でFnキーを使うことはできません。
ぼくの場合、HHKBで左右にFnキーを設定して使っているため、1個しかないのは非常に不便に感じました。
キックスタンドを立てるとぐらつく
MD600v3には左右ユニットそれぞれに二段階のキックスタンドが搭載されています。
このスタンドで角度を調整することで、より楽な姿勢でタイピングすることができるわけです。
しかし、左右ユニットそれぞれの接地面積が狭い関係か、キックスタンドを立てたときの安定感はあまりよくありません。
タイピング中に端のほうを抑えるとグラグラします。
通常使用には差し支えないレベルですが、ちょっと気になります。
打鍵音がチープ
これは構造上仕方がないかもしれませんが、打鍵音は結構ガチャガチャしています。
Cherry MXスイッチは伝統的な名作ではありますが、やはり設計が古いというか。
バネの金属音も結構鳴ります。
最近のスイッチはルブなしでも金属反響音を抑えたモデルなんかも出ているので、余計に気になりますね。
古き良きCherryスイッチという感じです。
個人的には嫌いではないですが、好き嫌いは分かれそうです。
ぼくは茶軸を選択しましたが、音が気になる方は静音赤軸のモデルを選択するのも良いと思います。
Keyboard Quantizer bと組み合わせて使う
さて、ここまで述べたように、MD600v3にはメリットとデメリットがはっきり分かれます。
このキーボードを使いたい方は、打鍵音とかよりも左右分割キーボードの使い勝手が気になる方が多いと思います。
そこで、一番のデメリットである「Fnキーを増やせない」「キーマッピングのソフトがない」を解決する方法を紹介します。
それが「Keyboard Quantizer b」という商品です。
これは遊舎工房さんなどで販売されている製品で、ちょっとマニアックなアイテムです。
ざっくりいえば、「キーボード等の入力機器から情報を受け取ったら、予め指定した信号をPCに送信してくれる」というアイテムですね。
設定変更自体ができないキーボードもQMK/VIAやREMAPといったツールを使ってキーマップを変更することができます。
ちょっとクセのある製品ではありますが、非常に便利に使えています。
キーマップをがっつり書き換えたら一気に化けた
Fnキーが1個しか配置できない点は、このキーボードの大きなデメリットでした。
そこでKeychron Q2で設定していたようにスペースバーの長押しでレイヤー移動=Fnキーとして動作するよう設定しました。
これによって左右のスペースバーがそのままFnキーとして使えるようになり、格段に利便性がアップしました。
一気に高級な分割キーボードの仲間入りを果たした感じです。
そのほかの部分も普段使っているKeychron Q2のキーマップを参考に設定して、できるだけキーボード間の互換性を保つようにしてみました。
- BackspaceをEnterのすぐ上に移動
- CtrlをAの左に移動
このように設定することで、他のカスタムキーボードと同じように使用することができるようになりました。
慣れるまでは辛い
分割キーボードを使ってみて最初に思ったことは、導入は思ったより大変だということです。
配列そのものはオーソドックスなものですが、なぜかタイプミスがいつもより増える増える。
なぜか?
どうやら、下記のような要因があるようでした。
- 人は、相対的な手の位置でキーの場所を把握している
- だから、左右の手がそれぞれ自由な位置にあるとキーボードの位置がわからなくなる
- 結果、1つ横のキーを叩いてしまったりする
つまり、両手が近くに寄っているような一般的なスタイルでは、
両手の位置関係によってキーボード全体を把握することができているということですね。
一方で分割キーボードは、置く場所も自由であるため
右手と左手の位置関係でキーを把握することができず、タイプミスが発生することがあるようです。
これは最初かなりストレスになりました。
分割するだけで身体に優しくなるわけでもない
分割キーボードを購入した理由は、「姿勢を改善して、長時間でも快適にタイピングしたい」というものでした。
しかしそれは、分割キーボードを使えば簡単に実現できるわけではないことがわかりました。
実際、左右のユニットの配置の仕方によっては、普通のキーボード以上に手首に負荷をかけてしまう場合もあるように感じています。
自分の姿勢をよく観察し、左右のユニットの場所をしっかりと調整し、自分にピッタリフィットする配置を考える必要があります。
この作業を怠ってしまうと、分割したキーボードに合わせて変な姿勢になってしまって身体に不調をきたしてしまうので注意してください。
過度な期待は禁物
このように、左右分割キーボードは姿勢を良くしたりタイピングの運指を改善することが見込めますが
一方で、自分でしっかりと良い置き方を探したり姿勢を観察して改善していく作業が必要になります。
また、使い始めはタイプミスが10倍になって心が折れそうになる点も、あらかじめ知っておくと良いと思います。
とにかく、「これを導入すれば身体も楽になってタイピングも上手くなって全部解決」とは行かないので注意が必要です。
まとめ
Barocco MISTEL MD600v3を購入したので正直にレビューしてみました。
- カスタマイズはソフトがないのでやりにくい
- Fnキーは1個しか設定できないので不便
- カスタマイズ性はKeyboard Quantizer bを使うことで解決できる
- 姿勢がよくなってタイピングの運指の改善が見込める
- ただし、自分にあったセッティングをしないと手首を痛める
- 過度な期待は禁物
まとめてみると第一印象あんまりよくないですね。
実際、導入コストは結構大きいと思いました。
しばらく使ってみたいとおもいます。
今日は以上になります。
お読みいただきありがとうございました。
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