人間の人生の1/3は睡眠時間です。人によっては1/4かも知れませんが、いずれにせよ大きなウェイトを占めています。
昔は「寝ていない自慢」「寝不足マウント」のようなことが日常的に行われていましたが、最近では「寝ていない=自己管理ができていない」と考えることも一般的になってきました。
しかし、現代社会では睡眠の質を高めるためにはいくつかのハードルがあります。
深夜まで開いているレストランやコンビニ、深夜でも行われるライブ配信、スマートフォンやタブレットの普及。夜更かしして朝ギリギリに起きて、寝た気がしない。そんな毎日を過ごしている人も多いことでしょう。
そこで僕がおすすめしたいのが、睡眠の質を高めるアイテムの1つである「寝ホン」です。
様々なランクの製品がありますが、今回は比較的上位の機種を2機種比べてみましたので、紹介したいと思います。
寝ホン とは
最近では寝ホンと呼ばれる「睡眠中に使うことを考えて作られたイヤホン」が増えてきています。
睡眠導入音声や音楽などを聴くための「着けながら寝る」イヤホン。通常のイヤホンに比べて筐体が小さく、耳から飛び出さないので、寝転んでも枕に圧迫されず快適に眠ることができます。
最近では睡眠導入用のコンテンツやASMR、瞑想用のガイドアプリなど、音声コンテンツが充実してきていて、イヤホンを使って音声を聞きながら眠りにつきたいというニーズが高まっているようです。
価格帯は3000円程度のものから1万円を超えるものまで様々ですが、睡眠の質は日中の活動の質を左右しますので、できればしっかりと整えたいところです。
今回は僕が使用している寝ホンを紹介し、また提供いただいた寝ホンとも比較していきます。
普段はANKERの寝ホンを使用している
Anker Soundcore Sleep A10
昨年の11月に購入したもので、ずっと愛用しています。
睡眠中に取れにくい大きさと形
Anker Soundcore Sleep A10には、耳から落ちにくいウィングが付いていて、寝ている間に取れにくい形状が特徴です。また、耳から飛び出す部分もほぼないので快適です。
ノイズキャンセリング機能はありませんが、カナル型で耳を塞ぐ構造のため、軽い環境音であれば遮断することができます。
アプリでプリセットされた環境音を流すこともできる
睡眠導入音声が苦手な人でも、ANKERのSoundcoreアプリで音声を選択することができます。これを使えば、自然の中の音を流しつつ、寝室や近所の環境音を遮断することができます。
1MORE の寝ホン
1MORE ComfoBudsMini
ウィングなどはなく、コロンとした形状。コンパクトではあるが、やや外れやすい
1MORE ComfoBudsMini は、オーディオメーカーである1Moreの睡眠用イヤホンです。
ANC搭載
アクティブノイズキャンセリングを搭載し、より静寂の中で眠ることができます。
ANKERの寝ホンはANCがありませんので、こちらが優位といえます。
コンパクトながらワイヤレス充電にも対応したケース
充電ケースも本体もコンパクトで、カバンの隙間に入れてどこへでも持っていくことができます。
また充電ケースはQi規格でのワイヤレス充電に対応していて、手軽に毎日充電することができます。
音質も悪くない
また、音質についてもきちんと作られており、寝ホンとしてだけでなく音楽鑑賞にも使える程度にはしっかりとした音が鳴ります。
もちろんAirPods Proのような高級機には敵いませんが、数千円のワイヤレスイヤホンと比較しても遜色ない程度だと思います。
2機種の比較
ANKERと1MORE Audioの2機種のスペックをまとめると以下です。
Anker Soundcore Sleep A10 | 1MORE ComfoBudsMini | |
ANC | × | ⚪︎ |
ワイヤレス充電 | × | ⚪︎ |
バッテリーもち | 公称6時間 | 公称6時間 |
アプリでの設定 | ⚪︎ | ⚪︎ |
重さ | 片耳3.0g | 片耳3.8g |
ケース込み64.5g | ケース込み42.5g | |
価格 | 13000円 | 14000円(3000円クーポンあり) |
実際に使ってわかった違い
Anker Soundcore Sleep A10のメリット・デメリット
ANKERが優れている点
- 装着感はANKERの方が軽くて安定している
- 朝起きても外れていない率はANKERが高め
- 持ち運びよりも据え置きを想定したケース形状で、
ベッドサイドで充電しっぱなしで置いておける
ANKERが微妙な点
- ANCがないので、ウォーターサーバーのコンプレッサーの音やサーキュレーターの音、外を走る車の音など、微かに気になる場合がある
- 音質は微妙なので、音楽鑑賞には向かない。睡眠用音声を聴く専用のイヤホンになる
- 筐体が白色しかないため、白いシーツを使っている場合は
睡眠中に取れてしまったイヤホンを朝探すのがやや大変に感じることがある
1MORE ComfoBudsMiniのメリット・デメリット
1MORE ComfoBudsMiniが優れている点
- ノイズキャンセリングはきちんと機能していて、快適な静けさで眠れる
- ワイヤレス充電が可能で、起きたらワイヤレス充電パッドに置くだけで簡単
- 持ち運びに便利なコンパクトなケース
- 音質もそこそこで、7000円前後のイヤホンと同等くらいには音楽も聴ける
1MORE ComfoBudsMiniの微妙な点
- 耳から外れやすい
- 装着した直後はANCがオンになっておらず、装着→ANCオンの操作が必要
- なぜか、取外したあとにワイヤレス充電器に置くと、再度iPhoneに接続されてしまい、音声がイヤホンに接続されてしまうことがある
どちらもあまり変わらなかった点
- いずれのイヤホンも、夜中にバッテリーが切れたり、バッテリー切れのアラーム音で起きるといったことがなかった
- AirPods Proを装着して眠ると夜中にバッテリー切れの音で起きてしまうことがあったが、
今回紹介している2機種についてはどちらも、バッテリー切れのサウンドが夜中に鳴ることはなく朝まで快適に眠ることができた - 形状は若干違うものの、どちらのイヤホンも耳から飛び出さずコンパクトで、寝る時に邪魔にならないので快適に使えた
どちらがおすすめ?
こんな人にはAnker Soundcore Sleep A10がおすすめ
騒音が元々気になりにくい環境で寝ている
ANKERは装着感が良いがANC機能がないので、元々静かな環境で、睡眠導入コンテンツを利用しながら眠りにつきたい方に向いています。
外泊があまりなく、家で使うことがメインである
Anker Soundcore Sleep A10はケースが大きく持ち運びに不向きで、かつワイヤレス充電にも非対応、ANCもないため騒音のあるところには弱いという特性があるため、環境がコロコロ変わる場合には向いていません。
例えばホテルで隣の部屋がうるさい、大通りに面していて車の音がうるさいなど、様々な環境で使うことを想定するのであれば、ANCがあるモデルの方が良いです。
しかし、Anker Soundcore Sleep A10は圧倒的な装着感の良さと、充電ケーブルに繋ぎっぱなして置いておけるケース形状なので、自宅で据え置きで使う分には非常に快適に使うことができます。
少しでも夜中に外れにくいものがいい
寝ホンあるあるですが、朝になったら行方不明になっていることがあります。
正直、ANKERでも1MORE ComfoBudsMiniでも、朝になったら外れていることはあるのですが
僕が試した限りでは、Anker Soundcore Sleep A10の方が外れにくい印象でした。
特に、横向きに寝た時、下側の耳に装着している方が不安定になりにくいのはAnker Soundcore Sleep A10の方でしたね。
こんな人には1MORE ComfoBudsMiniがおすすめ
家電や近隣の音がやや気になる環境で寝ている
1MORE ComfoBudsMiniの強みはなんといってもANCです。
実際かなり使える強力なANCが搭載されていて、耳が詰まるような感覚もありません。
僕は普段AirPods Proを使っていますが、それでも違和感のないノイズキャンセリングを実現しています。
そこで、近隣の車の騒音や隣人のいびき、家電の動作音など、気になる音が多い人は1MORE ComfoBudsMiniを選んだ方が幸せになれるでしょう。
外泊が多く、持ち運んで使いたい
1MORE ComfoBudsMiniのケースは非常にコンパクトなため、持ち運びにも適しています。
そのため、外泊の際にも気軽に持って行くことができ、旅行先・出張先でもいつもと同じ快適な環境で眠ることができます。
さらに、外泊であればホテルの周囲や隣室がうるさかったり、近くの大通りや電車の音が気になることもありますが、そういったシーンでもANC搭載の1MORE ComfoBudsMiniが有用になります。
ケーブルを憎んでいる。できるだけワイヤレス充電したい
1MORE ComfoBudsMiniはワイヤレス充電にも対応しているので、日々の充電をより簡単に行うことができます。
ケーブルをできるだけ減らしてスッキリした状態の部屋で寝起きしたい人は、ワイヤレス充電器を1つ置いておき、睡眠中はスマートフォンをそこで充電する。起きたらイヤホンをそこで充電する。といった運用も可能になります。
ケーブルを抜き差ししなくて良い生活は、慣れると戻れなくなる危険性があるので、覚悟して試してみてください。
音楽を適当に聴くイヤホンも兼ねて持ちたい
1MORE ComfoBudsMiniは、音楽もそこそこ聴ける音質を備えています。
音楽を聴くイヤホンと寝ホンを兼ねて1個にまとめたい方は、このイヤホン1個で良いでしょう。
AirPods Proほどのノイキャンも音質もありませんが、こだわらなければこれで十分という人は多いはずです。
こんな人はとにかく寝ホンを買おう
AirPods/AirPods Proを装着して寝ている人
悪いことは言わないので、早く寝ホンに変えましょう。
寝ている間にイヤホンの充電が切れて音が鳴り、夜中に起こされたことはありませんか?朝起きたらAirPodsがどっかに行っていて、朝から大探ししたことは?
AirPods Proは優秀なイヤホンですが、着けながら寝るには適していません。
ぜひ寝るとき専用の寝ホンを使ってみてください。
近隣の騒音や家電の音で睡眠が妨害されていると感じている人
人生の1/3だか1/4を占める睡眠の質が上がらなくて困っている。特に、隣人の音や車・電車の音で目覚めることがあるのであれば、ぜひ寝ホンを使ってみましょう。
LOOPなどの単純な耳栓でも良いのですが、自分の好みの睡眠導入音声に出会えれば、一気にQOLがああがるのでオススメです。
睡眠の質を上げたいが、何から導入して良いかわからない
睡眠の質を上げるには、大体以下のような要素が必要です。
- 朝、決まった時間に起きる・早起きする
- 寝る90分前にお風呂に浸かる
- 寝る2時間前からはデジタルデバイスの画面を見ない
- 寝室の気温や湿度を快適に保つ
- アイマスク・耳栓(寝ホン)を使う
こういった要素が必要です。
例えば寝る前2時間はガジェットを見ないといった生活の改善は難しい部類に入ると思います。
しかし、とりあえず寝る時に使うアイテムを1個ポチるだけなら簡単です。
まずは簡単なところから、睡眠の質を上げるためのアクションを起こしてみましょう。
一緒に使いたい安眠アイテム
ホットアイマスク
安眠のためには、音の遮断と同様に光の遮断も有効です。
充電式ホットアイマスクがおすすめ
僕が使っているのはこちらのアイマスク。
ですが、これでなくても全然OKというか、むしろ買い替えたいと思っています。
理由は1つ、Micro USB充電だから。
今から探すのであれば、USB-Cで充電できるものが良いでしょう。
旅行・出張には使い捨てでもOK
充電式アイマスクのデメリットの一つは、電源を入れるとインジケーターランプが煌々と光るところ。
一人のホテルなら良いのですが、飛行機や夜行バスで使う場合は周囲への光害が発生してしまいます。
そこで、旅行や出張にもって行くのであれば使い捨てのホットアイマスクがおすすめです。軽くてすぐに使えて、充電の手間も不要なので持ち運びにおすすめ。
ただし家で毎日使うとコストが嵩むので、家では充電式がおすすめです。
また、急に環境が変わると眠れなくなることもあるので
いつも同じ眠りを再現するためには、 出先だけで使うのではなく、日頃から使うのが良いです。
スマート電球で目覚まし照明を
目覚ましアラームが聞こえにくい問題
寝ホンをつけて寝ると、目覚まし時計の音が聞こえなくなることがあります。
これを回避するには2つの方法があります。「光」または「振動」です。
振動で目覚めるには、Apple Watchのようなスマートウォッチでアラームをセットする方法があります。
一方で、自宅であればスマート電球を使って指定の時刻にライトが点くようにしておけば、明るさで目が覚めるという効果も期待できます。
自動的に朝に電気がつく用に設定しておくことで、目覚ましが聞こえないことによる寝坊を防ぐことができます。
他には、カーテンを開けて寝ることで朝に日光を取り入れるのもおすすめです。
まとめ
とにかく寝ホンはおすすめ
2機種の比較以前に、寝ホンそのものは買ってよかったです。とてもオススメ。
比較してみると色々違いはあったものの、どちらの機種でも幸せになれます。
ただしANKERの方は2023年4月現在、しばらく欠品している模様です。いい製品なのに買えないのは残念。
価格帯がもう少し安価なagのCotsubuなど、寝ホン候補はたくさんありますが、
ANCがついているものは少ないので、騒音レベルに応じて選ぶと良いでしょう。
1MORE ComfoBudsMini、良いぞ
邪魔なノイズを消し、音楽もそこそこ聴けて、ケースはワイヤレス充電にも対応。
コンパクトなケースでどこへでも持ち運べて、1台あれば快適な睡眠が確保できます。
快適な安眠を手に入れるために、ぜひ試してみてください。
コメント
Amazonレビューでは1MORE ComfoBudsMiniはバッテリ切れ時の通知音が爆音で、そのせいで目が覚める〜なモノが複数書かれてるのですが、本記事ではそれを明確に否定されてるのが不思議ですね。
実はオプションで消せるのですか?
そうなのですか!
設定で消すことはできないと思いますが、気になったことはありませんでした。
もしかすると、製品のファームウェアバージョンなどが変わって挙動が変更されたのかもしれませんね。だとしたら割と改悪ですが……