Keychron Q11をキー数減らして使う

Keychron
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左右分割キーボード。

左右の運指がほぼ完全に固定され、タッチタイピング(ブラインドタッチ)前提であることから、導入が難しいと感じている人もいるのではないでしょうか。

僕もずっと興味があったのですが、これまで挫折し続けてきました。

このたび4台目の分割キーボードを購入し、ようやく良さがわかるものに出会えましたので紹介します。

これまでに買った分割キーボード

1台目:Keyboardio Model100

The Model 100
You spend your days at a keyboard. It is among the most universal of tools in our modern world. No matter what you make,...

何故、こんなもんを1台目に買ったのでしょうか。
決して悪いものではないのですが、今思えば上級者向けすぎました。

  • エルゴノミック形状で指が届きやすい
  • 手をほぼ動かさずに打鍵ができる
  • 配列が変わっている
  • 親指に役割が多すぎて忙しい
  • 使いこなせるまでが大変すぎる

見たまんまですが、見た目に違わぬ大変さでした。

まず、配列が変わっています。

enterやbackspaceなどが親指側に寄せられ、ShiftやCtrlなどもすべて親指側で操作します。

つまり、親指がめっちゃ忙しいのです。

これまで、「親指はspace」「左小指でCtrl」「右小指でenter」のように分業していたのが、

「親指でspace、enter、shift、Alt、Ctrl、backspace」になるわけです。

→混乱。

キーマップはある程度カスタマイズできるので、なんとか使いやすくならないかとしばらく悪戦苦闘しましたが、やむをえず手放しました。

あまりにも使いこなせずレビューどころではありませんでした。

2台目:Barocco MISTEL MD600v3

次に購入したのが、以前にレビューしたこちらの機種。

Mistelという、分割メカニカルキーボードでは比較的よく見かけるメーカーです。

  • 最初のKeyboardioと違い配列が普通
  • カスタマイズ性が良くない
  • 矢印キーがない
  • 矢印キーを使うためのキーコンビネーションが変更できない
    そのため、メーカーが決めた運指に慣れるしかない

さて、こちらは「配列は普通だがカスタム性が低い」という特性でした。

Keyboard Quantizer という、「キーボードから送出された信号を別のキーに変換してくれるアクセサリ」で設定も試みましたが、結局は「キーから送られる信号を変換する」なので、設定には限界がありました。

たとえば、「Fn+J」を左矢印に設定したいのに、Fnキー自体は信号が送出されていないためKeyboard Quantizerでもカスタマイズできない・・・という感じ。

結果的に、カスタム性の低さがストレスとなり手放しました。

3台目:Filco Majestouch Xacro M10SP

国内で簡単に手に入るキーボードの中では最新の機種かもしれない、Filco Majestouch Xacro M10SP。

  • Mistelに比べてカスタマイズの幅がちょっとだけ広い
    たとえば、「このキーを矢印にしたいな」と思ったら、変更が可能
  • 間に設置されたマクロキーは結構便利(両手ともに”B”が欲しいなどに対応可能)
  • ソフトウェアではなくキーの長押しやキーコンビネーションでカスタマイズの登録をしていく必要があり、やや面倒
  • 設定状況の確認・マクロの設定ができるソフトウェアがWindows専用
  • ソフトウェアで出来ることが少なく、使い勝手が悪い
  • ソフトウェアがあるのに、キーボードのファームアップはできない
    別途ダウンロードしたスクリプトでファームアップを行う必要がある

こちらはこれまでの機種と比べてよくできているキーボードでしたが、ソフトウェア上でキーマップ変更できればもっとよかったです。

Win環境も一時的に用意して使ってみましたが、ソフトもあまり使い勝手がよくなかったため、この機種も断念しました。

4台目:Keychron Q11

さて、本題です。

これまでの分割キーボードの失敗経験を踏まえて、自分にあった分割キーボードの条件を考えます。

  1. 変態配列ではなく、あくまで普通の配列の分割型であること
  2. キーマップ変更が自由であること
  3. キーマップの変更がMacの画面上でできること
  4. できれば60%程度のサイズであること

この条件の1〜3を完全に満たしている機種が、約1年前の2023年3月ごろに出ていました。Keychron Q11です。

本当は75%配列ではなく、65%か60%が欲しかったので、発売を待っていました。
しかし、Keychron初の分割キーボードから1年経過しても、60%の分割キーボードが出る気配はありません。

Keychron社は最近、磁気スイッチやUSBドングルでの2.4Ghz接続などのゲーミング需要に振り切った開発をしているように見えます。

そのためついに観念して、理想よりやや大きいQ11を購入することにしました。

Q11をカスタムする

要らんキーが多い

買わない理由にも挙げていた、「いらないキーが多い」という問題については、実際に購入してみても感想は変わりませんでした。

マクロキーについては、何か有効活用の方法がないか検討しましたが、物理的に邪魔であることが勝ってしまいました。

マクロキーを便利にすればするほど、間違って叩いてしまったときに発生する事故が大きくなります。

(たとえば、特定の文字列を入力できるマクロキーを用意したとして、うっかり押してしまってその文字列がズラーっと入力される・・・とかは面倒くさいですよね)

あと、HHKBで慣れた指には、Fキーの段もめっちゃ遠いです。

要らんキーをもぎ取る

最近のKeychronキーボードはだいたいホットスワップに対応していて、半田付けなしでキースイッチをつけたり外したりできます。

つまり、要らないキーがあるなら取ってしまえばよいと考えました。

要らぬなら もぎ取ってしまえ キースイッチ

わい

ということで、要らんキーを撤去します。

いちばん左のMキーと上のFキー段を撤去します。

バックライトが煌々と光っていますが、光量をすこし抑えたら気になりません。

右手側も、同じように撤去です。pgupもpgdnもhomeも、単独のキーとしては要りません。

ただし左にあった「チルダ・バッククオート」のキーだけは、HHKBに倣って右上に配置しました。

あと細かいカスタマイズとしては以下のような感じ。

  • デフォルトでついてきた左右を繋ぐケーブルが短かかったので、iPhone15 Pro Maxについてきた充電ケーブルで左右接続
  • キースイッチをCherry MX2Aの静音赤軸に変更

VIAでカスタマイズ

もぎとったスイッチの部分の機能をカバーできるように、カスタマイズしていきます。

Screenshot

こんな感じになりました。ほぼHHKBですね。

こだわりポイントは以下。

  • F1は潰す(ExcelでF2押そうとしてヘルプが出るのが嫌)F3も、ついでに潰す(僕のワークフローではF3使わない)
  • Fn+Eで英数、Fn+Hでひらがな入力を呼べるように設定
  • DelキーはHHKBと同じ呼び出し方に統一

便利になった!

カスタマイズしたQ11を使い始めて2週間ほど経過しましたが、めちゃくちゃ良いです。

まず、左右分割であることで姿勢が良くなり、肩こりが改善しました。

そして、最低限のキー数で左右の運指も固定されていることから、タイプミスもしにくくなりました。

(たとえば、Hを打つために左手が出張したりして、右手のペースも乱れて混乱することがなくなった)

ブラウザでVIAが使える、破格の利便性

WinでもMacでも、ブラウザのVIAですぐにカスタマイズができるので、何か欲しいキーがあったらその場で用意できる点が素晴らしいです。

キーボードのカスタマイズ、事前にあれこれ考えて「これなら使いやすいだろう」と言いながら行うのも良いのですが、カスタマイズに慣れるまでは**「この押し方でこの機能が呼べたらいいのに・・・ッ!」という要求に応じて**行われるほうが、納得度の高い結果が得られます(自分調べ)。

使わないうちからカスタムすると、**「なんとなく全部のキーに機能を当てないともったいない」**気がしてしまったりします。しかし、実際に使いながらカスタムすることで、必要最低限かつ洗練されたカスタマイズを進めることができます。

都度、欲しいところに欲しい機能をセットできるので、自分と一緒に洗練していけるキーボードになっています。

以上、今回は「Keychronさんが良いサイズの分割キーボードを出してくれないから、自分でキーボードを擬似的に小さくして利便性をあげてみた」でした。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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