メカニカルキーボードを導入したら、自分好みにカスタマイズしたいですよね。
今回は、Hot-Swapタイプのキーボードを使って簡単にキースイッチを交換する方法を紹介します。
ぼくが2022年に購入した中で最も使っているKeychron Q2というキーボードがあります。
当初はクリッキータイプのGateron G Pro Blueスイッチを選択していたのですが、クリッキースイッチはどうしても徐々に飽きてきます。
そこで、リニアタイプのスイッチに交換することにしました。
Hot-Swapのキーボードを購入して、はじめてスイッチ交換に挑戦する方に参考になる情報をまとめていきますので、最後までご覧ください。
メカニカルスイッチ交換
事前準備
スイッチ交換をするには、事前の準備が必要です。
- 交換したいキーボードの仕様を調べる
(Hot-Swapに対応しているかどうか) - キーボードのキー数を調べる
- スイッチと道具を購入する
- 作業中に使える予備キーボードを用意する
スイッチ交換の途中で調べ物をしたり、問題解決のトラブルシューティングをするには、PCが必要になることがあります。
今ではスマートフォンで検索することも可能ですが、キーボードの分解にはトラブルが発生してしまうことがあります。安価なもので構わないので、予備のキーボードは用意しておくと良いでしょう。
Hot-Swap対応機種を選ぼう
メカニカルスイッチを交換してカスタマイズを考えているのであれば、
「Hot-Swappable」「Hot-Swap対応」のキーボードを選択しましょう。
通常のキーボードでは、スイッチがハンダ付けで固定されており、ハンダを溶かして除去しないとキースイッチ交換ができません。
一方で、Hot-Swapに対応しているものは、キースイッチを引っ張るだけで取り外しができ、押し込むだけで取り付けができるので圧倒的に簡単です。
キーボード自体の分解も不要になるので、作業全体が時短になります。
はじめはキー数の少なめのキーボードを選ぼう
今回用意したキーボードは以下です。
- Keychron Q2 ( 66 keys )
- Eclipse EC66 ( 66 keys )
どちらもスイッチの数が同じ65%キーボードです。
キー数が多いと作業が結構大変なので、初めはこれくらいのサイズが良いと思います。
慣れてきたら85%や100%といった配列にチャレンジしても良いですが、キースイッチの購入費用もどんどん上がっていくので、自分が不便を感じない範囲で、できるだけキー数の少ないキーボードを選ぶようにしましょう。
必要な道具
Hot-Swap対応のキーボードのスイッチ交換には、以下の道具が必要です。
- キーキャッププラー
- キースイッチプラー
- ハンディ掃除機やクリーニングブラシ、ウェットティッシュなど
キーキャッププラー
スイッチ交換をする前に、キーキャップを引き抜く工具です。
多くのメカニカルキーボードに付属しているので、別途買う必要はほとんどありません。
特に消耗するものでもないですが、失くしてしまった場合などはAmazonですぐ購入できます。
キースイッチプラー
キースイッチを引き抜く工具は、2種類用意するのが良いです。
- クビレのある形状のスイッチプラーは必須
- グリップ感のあるスイッチプラーがあると便利
クビレのある形状のスイッチプラーは必須
1つは、クビレのある形状のものです。
このようにクビレのあるスイッチプラーは、キーボードのフレームが入り組んだ場所でもしっかりとスイッチをつかむことができます。
ただし力が入れにくいので、全てのスイッチをこれで外すのは結構しんどいと思います。
グリップしやすいスイッチプラーがあると便利
もうひとつは、グリップがしっかりしているモデルです。
このようにグリップのしっかりしたキースイッチプラーはケースのフレームが入り組んだ箇所には向きませんが、それ以外の場所では力が入れやすく簡単に取り外すことができます。
フレームに干渉しない限りは、このタイプのプラーを使うと簡単です。
このように、複数の器具を使い分けると快適になります。
掃除するアイテム
キーボードをせっかく分解するのであれば、掃除しておきましょう。
ハンディ掃除機
充電式のハンディ掃除機が1台あると便利です。
ぼくは下の掃除機を使っていますが、とても重宝しています。
ホコリを払うブラシ
掃除機と併用してホコリを払うアイテムも、あると便利です。
ウェットティッシュ類
キーボードを分解するとき、スイッチに潤滑油が付着していることがあります。
潤滑油が手や筐体についてしまうことがあるので、拭き取れるものが欲しいです。
ぼくはAmazonでまとめ買いしたウェットティッシュを使っています。
キースイッチ交換手順
手順は以下の通りです。
- キーキャップを取り外す
- キースイッチを取り外す
- キースイッチを取り付ける
- キーキャップを取り付ける
キーキャップを外す
メカニカルキーボードのキーキャップは、真上に引っ張ると外れます。
キーキャッププラーのワイヤー部分を、キーキャップの角に引っ掛けるようにします。
慣れるまでは少し怖いかもしれませんが、サクサク引っこ抜いてしまいましょう。
キースイッチを外す
Hot-Swap対応のキーボードの場合、キースイッチも引っ張って外すことができます。
キースイッチは、2箇所にツメがあるので
このツメをキースイッチプラーで押さえながら、真上に引き抜きます。
キースイッチを取り付ける
キースイッチを取り付けるときは上から押し込んでいくだけですが、いくつか注意点もあります。
ピンが曲がらないように注意
キースイッチのピンは金属なので、押し込むときに曲げてしまうことがあります。
ピンが曲がってしまうとキーが反応しなくなりますので、注意しましょう。
うっかりピンが曲がってしまっても、1回〜2回くらいであれば、ピンセットなどでつまんで戻せます。
完全にまっすぐに戻らなくても、結局は穴にピンが刺さっていて通電すれば使えますので、ピンが曲がっても捨てずに、修正を試みましょう。
そのほかの注意点
ほかにも、キースイッチを押し込むときは、以下の点に注意します。
- ピンの位置に注意しましょう
- 真上から真っ直ぐ押し込みましょう
- 強い抵抗を感じたら、無理に押し込まないで向きや角度を確認しましょう
- キースイッチを分解したあと、組み立てが不十分だとうまく入りません
所要時間
Hot-Swap対応のキーボードであれば、スイッチ交換はめっちゃ簡単です。
2台のキーボードのスイッチを入れ替えるのにかかった時間は、およそ1時間半くらいでした。
YouTubeの動画を撮影するためにカメラをセッティングしながらやっていたので、普通にやれば1時間くらいで出来ると思います。
PCBに対応したスイッチを選ぼう
スイッチには3pinのものと、5pinのものがあります。(3pinの場合は1と5の穴がありません)
5pinの方がしっかり固定されるため安定しますが、スイッチとPCB側の両方が5pinに対応していなければなりません。
今回使うQ2とEC66はどちらも5pin対応のPCBなので問題ありませんでした。
ピンが曲がっても諦めないで直そう
キースイッチのピンは多少曲がってしまっても、真っ直ぐに戻せば使えることが多いです。
先の平らなピンセットなどがあれば、曲がってしまったピンを簡単に直すことができます。
(完全に真っ直ぐに戻らなくても、PCBの穴を通ればOKです)
まれに、最初からピンが曲がった状態で届くスイッチもありますので、取り付ける前に確認しながら作業を行いましょう。
スイッチの向きの確認
キースイッチには差し込む向きがあります。
どの向きに差し込むかをしっかりと確認しましょう。
向きを確認する場合は。ピンの配置やLEDの向きを確認すると良いでしょう。
一つのキーボードの中でも、場所によってスイッチの向きが異なる場合もあります。
EC66では、一番上の段だけスイッチの向きが逆になっているというトラップもありました。
スイッチ交換をしたらどうなるの?
打鍵感・打鍵音の変化
キースイッチは打鍵音を決める大きな要素ですが、
スイッチだけで打鍵音が決まるわけではありません。
実際に動画を撮影しているので、ぜひ聴いていただきたいのですが
言葉で説明すると以下のような感じでした。
- EC66はケース内部が詰まっていてキーキャップが厚いので、クリッキースイッチを搭載しても音量が少し抑えられている
- Keychron Q2はキーキャップが薄いので、同じスイッチでも軽く高い音になる
- 人によって好みが分かれるところだが、キーキャップはEC66のように厚い方がコトコトと落ち着いたサウンドになる
- ケース内部の吸音パッドは、詰まっていれば詰まっているほど残響が消音されて落ち着いたサウンドになるが、Q2のようなガスケットマウントの沈み込む感触が得られにくくなる
ということで、ケース内部の吸音材の量やキーキャップの音に影響することがわかりました。
スイッチだけを交換しても理想の音にならない場合は、
ケース内部の吸音材を足したり、キーキャップを交換してみると良いでしょう。
リニアスイッチ・タクタイルスイッチ・クリッキースイッチの選択に迷う場合は、以下の記事も参考にしてください。
おすすめスイッチ
はじめてスイッチ交換をする方向けに、個人的にオススメのスイッチを4つ紹介します。
Holy Panda X
海外のオンラインストア「DROP」で購入できるオリジナルスイッチです。
スイッチタイプはタクタイルで、少し重めでしっかりとした打鍵感のスイッチです。
詳しくは下の記事をご覧ください。
ちなみに、黒いハウジングだとバックライトを透過せず地味な仕上がりになってしまうのですがHolyPandaXにはクリアモデルも発売されていますので、バックライトを綺麗に見せたい場合はこちらも選択肢に入ってきます。
DROP HOLY PANDA X CLEAR MECHANICAL SWITCHES
EVERGLIDE AQUA KING
Everglideのリニアスイッチ、AquaKingです。
工場で潤滑済みのリニアスイッチで、価格が安いわりに滑らかな打鍵感が特徴です。
重さもお好みで選択できます。個人的には真ん中の62gが好きです。
Dropでお得に購入できます。
DropでEVERGLIDE AQUA KING MECHANICAL SWITCHESを見る
Keychron K Pro
Keychron社のオリジナルスイッチです。
圧倒的な入り個数と、安価な価格でコスパが抜群です。
個人的には、アーリータクタイルスイッチのBananaがオススメです。
EPOMAKER Banana
茶軸よりもはっきりとしたタクタイルスイッチで、ルブしなくてもなめらかな使用感が特徴です。
入手性とコスパが高いスイッチを探している方にオススメです。
打鍵音を紹介した動画もありますのでぜひご覧ください。
まとめ
キースイッチ交換をする際は、以下の準備を行います。
- 交換したいキーボードの仕様を調べる
(Hot-Swapに対応しているかどうか) - キーボードのキー数を調べる
- スイッチと道具を購入する
- 作業中に使える予備キーボードを用意する
キースイッチを交換することで、気分も変わりますし自分に合った打鍵感のスイッチにきっと出会えます。
ぜひHot-Swap対応キーボードを手に入れて、スイッチ交換を楽しんでみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
コメント
はじめまして。
現在keychron k8 proを使用しています。
一度、キースイッチをすべて交換をしてまたgateron g pro 2.0 blueに戻したときキースイッチが反応しない箇所がいくつかありました。
反応しない箇所のスイッチを他の反応する箇所と交換すると両方正常に反応するようになったのですが、場所によって相性などあるのでしょうか?
おそらくキースイッチ自体に問題はないと思うのですが…
もしなにか知っていましたら教えていただきたいです。
コメントありがとうございます。
スイッチが反応しない箇所があり、スイッチを入れ替えると正常になる、ということですが
そのような経験はないですね・・・
スイッチが動作しない時は、ピンが折れてしまっていたのでそれを修正すると改善するケースが多かったです。
お力になれずすみませんm(_ _)m