Pixel Fold 10ヶ月使用。実際どう?

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2023年にGoogleが満を辞して(?)発売したPixel Fold。

発売直後に購入しましたので、その後結局どんな感じか、率直にレビューをしたいと思います。

Google Pixel Fold

Pixel Foldは、Googleが初めて発売した折りたたみスマートフォンです。

基本的なスペックとあわせて、各部分についてレビューしていきます。

ディスプレイ:外側はかなりいい。内側はそこそこ

ディスプレイのスペックは以下。

ディスプレイスペック外側のディスプレイ外側のディスプレイ
サイズ5.8インチ7.6インチ
ピクセル数1,080×2,0922,208×1,840
PPI408380
リフレッシュレート120Hz120Hz
明るさ(ピーク輝度)最大1,550ニト最大1,450ニト

外がメイン、内がサブ

まず大前提として、Pixel Foldのディスプレイは「外側がメイン、内側はサブ」です。

これは折りたたみスマホの先駆けであるGalaxy Z Foldシリーズとは逆の考え方です。

(Galaxyは開いた内側を”メインディスプレイ”と呼び、外側を”サブディスプレイ”と呼びます)

Googleは「開いても使える、普通のスマホ」としている一方で、Galaxyは「閉じて持ち運べる超大型スマホ」という位置付けをしている点が異なります。

実際にGoogle Pixel Foldを使っていると、「外側ディスプレイの方がかなり綺麗で明るく、使っていて快適」であることがわかります。

5.8インチという現代では比較的小ぶりな外側ディスプレイは、400PPIを超える高密度の画素を持つOLEDで、非常に綺麗です。
明るさも十分に明るいですが、屋外ピーク輝度2,000ニトを謳うiPhone15Pro Maxには負けます。

実際の利用は外側ディスプレイが多め

いまは、気づけば外側のディスプレイで使っていることが多いです。

Kindleを使って本を読むときに、「わざわざ」開くようなイメージになります。

なんとなく、開く気にならないんですよね。

理由はじっくり考えてみたんですが、おそらく「折り目が普通に気になる」だと思います。

大きな画面でなにかを見る場合、「情報量をたくさん表示する」か、または「映像の美しさを大画面・大迫力で楽しむ」だと思います。
しかし、画面の真ん中に折り目があるとどうしても後者の「美しさを楽しむ」という用途には向きません。折り目もある上に画面スペックが相対的に低い内側ディスプレイを、わざわざ使う気になりにくいです。

一方、情報量をつかむのが目的であるKindle読書では、折り目は問題になりません。

ですが、別に四六時中Kindleを読んでいるわけではないので、結局「ほとんど外側で使っている」という結論になります。

ゲーム性能:壊滅的

Pixelに搭載されているTensorというチップは高性能だというイメージを持っている人もいると思います。(スマホに詳しい人からすると”そんなバカな”と思うかもしれませんが、Google純正チップの第二世代ともなれば、高性能だと思われても仕方ない)

結論としては、グラフィック・ゲーム性能面では残念と言わざるを得ません。

もともとAppleが強い領域ですから、おとなしくiPhoneかiPadでゲームしましょう。

大画面でゲームする用途での折りたたみスマートフォンという意味では、Galaxy Z Fold5に軍配が上がるどころの騒ぎではありません。不戦敗です。

カメラ:わるくないが良くもない。ただそこにある

メインカメラの性能は決して良くありません。一方でコンピュータ処理による補正が強力なので、結果的に「そこそこ」の写真が撮れる感じです。

カメラのスペックは以下。

メインカメラワイドカメラ望遠カメラ
画素数48MP10.8MP10.8MP
絞りf1.7f2.2f3.05
センサーサイズ1/2インチ1/3インチ1/3.1インチ

これを簡単にいうと、「別にスペックは高くない」という一言に尽きます。

画素数48MPは現代では一般的ですが、サブカメラ群の10.8MPも十分に高精細です。普通の写真プリントするぐらいなら余裕で足りる画素数です。

絞りについてはどのレンズでも比較的明るめですが、センサーサイズが小さめなので「どうにかバランスを取りながら明るいカメラユニットを目指している」という印象ですね。

スマートフォンのカメラのセンサーサイズは2024年前半時点では、

  • 1インチ・・・最強
  • 1/1.3インチ・・・ハイエンド
  • 1/1.7インチ・・・型落ちハイエンド
  • 1/2インチ・・・ミドルハイクラス
  • 1/3インチ・・・ミドルロークラス

みたいなイメージでしょうか。ちなみにiPhoneの最上位機や、最新のPixel 8 Proは「ハイエンド」クラスに属します。1インチはガチでカメラに振り切った一部の変態スマホや、高級コンデジに積まれる大きさです。

スペックから見てとれる通り、決して良いカメラユニットではありません。実際に撮ってみても「そこそこ」という感じで、Pixel Foldの価格から考えると「オマケ」程度のカメラであると言ってよいでしょう。

重さ:めっちゃ重い

Pixel Foldを語る上で避けて通れないのがその重さです。

結論としては、めっちゃ重いです。

どれくらい重いかというと、

  • フローリングに落とすとフローリングが凹む気がする
  • もし落としたら確実に割れる気がする
  • 寝転がってるときに顔に落ちてきたら怪我する
  • スウェットとかのポケットに入れてるとズボンがずり落ちてくる

みたいなイメージです。かなり「ずっしり感」があります。

公称値では283グラム、純正ケースをつけると316グラムです。

これはiPhoneのだいたい1.5倍にあたります。また、iPad miniが293グラムなのでかなり肉薄します。

重いので、持ち運びに難儀するだけでなく、「落としたら即死である」という緊張感がすごいです。
そして、落とさないために滑りにくい純正ケースをつけると重さが300グラムを超えるという、ダブルバインド状態です。

正直、室内専用機にしておきたい気分です。ですが、室内専用なら折り畳めなくて良いのです。

Pixelとしての機能:よい、だからこそ惜しい

僕がPixelを選んだ理由は大きく2つです。

  • 通話スクリーニング機能
  • ボイスメモのリアルタイム文字起こし

通話スクリーニング機能は、Google純正の電話アプリを使っていれば、AIが自動応答で電話に出て要件を聞いてくれたり、電話帳に登録していない番号でも相手の番号をググってくれる機能です。

ボイスメモの文字起こし機能はPixelならではの機能で、話した言葉を高精度で文字起こししてくれます。たまに使いますが便利です。

これら2つの機能は十分に期待を超えるものでしたが、いかんせん本体が重すぎるために持ち出すのが億劫になり、あまり積極的に使わなくなっている現状があり、だいぶ惜しいです。

結果:あんまり持ち出さなくなった

個人的にPixel Foldの現在の評価は以下です。

  • 機能・性能に不満はあんまりない。アプリが対応してないのも慣れた
  • とにかく重い。落とすと即死のイメージがあり、持ち出しが億劫
  • わざわざ画面を開いても折り目が気になる、読書の時ぐらいしか開かない
  • 上記2つの要因により、あまり持ち出さなくなった
  • 持ち出さないので、室内ではiPadのほうが便利

機能・性能に不満はないのですが、いかんせん重すぎるという点においてかなりのディスアドバンテージとなっています。

願わくば、変な高級路線バトルに終止符をうち、傷と指紋がつきやすく重いステンレス筐体ではなく、アルミをうまく使った軽量な筐体で折りたたみスマートフォンを作ってほしいと思います。きっと無理でしょうけどね。うっかりチタンなんかにして30万オーバーになる未来も見えます。

「違うんです。チタンにしてほしいのではなく、軽くしてほしいんです。」となりそうです。

ということで、Pixelの機能が使いたいなら、おとなしくPixel 8 Proのような普通の形状のスマホで十分です。

以上です。最後までお読みいただきありがとうございました。

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