パソコンのモニター、ふと気づくと結構汚れていませんか。僕も忙しく過ごしていると、いつの間にか画面にホコリがうっすらと積もっていたり、指紋や汚れがついていたりすることがあります。
今回は、僕が普段から実践している、PC モニターを傷つけずに、かつ安全に綺麗を保つための具体的な方法について、詳しくお話ししようと思います。
モニターはなぜ汚れるのか
掃除の方法を考える前に、まずは敵を知ることから始めましょう。モニターの汚れの主な原因は、大きく分けて 3 つあります。
ホコリ
モニター汚れの代表格は、なんといっても「ホコリ」です。電源が入っている電子機器は静電気を帯びやすく、空気中のホコリを磁石のように引き寄せてしまいます。
これは、冬場にセーターを脱いだときにパチパチと音を立てる、あの静電気と同じ原理です。モニターの表面が、見えない力で部屋中のホコリをコレクションしているような状態になります。そのため、ただ布で拭いただけでは、ホコリが取れない上に、取れたホコリも舞い上がるだけで根本的な解決になりにくいのが特徴です。
飛沫など
ここ数年で一気に普及した Web 会議も、新たな汚れの原因を生み出しました。対面の会話と同じように、話に熱中すると、どうしても唾などの飛沫が飛んでしまうことがあります。
マスクをしていれば大部分は防げるでしょうが、自宅からの参加だと、ついつい外してしまうこともあるでしょう。乾いてしまうと白い点のような汚れになり、これが意外と頑固で落としにくいのです。
無意識に触れてしまう画面と指紋
「ここのグラフを見てください」なんて言いながら、ノートパソコンの画面を指差して説明してしまった経験はありませんか。悪気はなくても、画面に直接触れてしまうと皮脂、つまり指紋がつきます。
タッチパネル搭載のモニターならまだしも、そうでない画面に指紋がべったりついていると、映像の視認性が落ちるだけでなく、見た目にもあまり気持ちの良いものではありません。
モニター掃除の基本は 2 つのアプローチ
これらの多様な汚れに対処するため、掃除の方法は大きく「ドライ」と「ウェット」の 2 つのアプローチに分かれます。
ドライ編:静電気とホコリを払う
こまめに行うのであれば、液体を使わないドライな掃除がおすすめです。
主なターゲットは、画面に付着したホコリと、その原因である静電気の除去です。
ここで活躍するのが「除電ブラシ」です。
僕はエレコムの製品を利用しています。
使い方はとても簡単で、モニターの表面を優しくなでるように、ホコリを「はたく」だけです。
ゴシゴシこするのではなく、あくまで表面のホコリを払い落とすイメージです。
このとき、払い落とされたホコリが再び舞い上がって別の場所についてしまうことがあるので、僕はハンディクリーナーを片手に、吸い取りながら作業するのが好きです。こうすると、部屋の空気を汚さずに効率よく掃除ができます。
ウェット編:頑固な汚れを落とす
除電ブラシだけでは落とせない指紋や飛沫の跡には、液体を使ったウェットなアプローチが有効です。これには、大きく分けて 2 つの製品タイプがあります。
– ウェットティッシュタイプ
– スプレータイプ
ウェットティッシュタイプは、袋から取り出してすぐに使える手軽さが最大のメリットです。一方、スプレータイプは、拭き取るための布が別途必要になるものの、吹きかける量で湿り具合を自分で調整しやすい利点があります。
ウェットティッシュは手軽な反面、長期間使わずにいると中の液体が乾いてしまい、いざという時に使えないというデメリットもあります。
スプレータイプは、拭き取る布が汚れていると、せっかくのクリーナーが台無しになるどころか、逆に画面を汚したり、傷をつけたりするリスクも考えられます。
どちらも一長一短ですが、個人的には、衛生的な使い捨てのウェットティッシュタイプが好みです。
絶対にやってはいけないモニター掃除
さて、ここからが本題です。良かれと思ってやった掃除が、モニターに致命的なダメージを与えてしまうことがあります。特に注意すべき 2 つのポイントを解説します。
最も危険なのはアルコール
「汚れを落とすなら消毒用のアルコールが一番」と考えているなら、それは大きな間違いです。多くの PC モニターにとって、アルコールは天敵と言っても過言ではありません。
多くのモニターの表面には、光の反射を抑えたり、色の再現性を高めたりするための特殊なコーティングが施されています。車のボディに塗られたワックスや、フライパンのフッ素加工をイメージしてもらうと分かりやすいかもしれません。
アルコールには、この繊細なコーティングを溶かしてしまったり、剥がしてしまったりする性質があります。一度剥がれてしまったコーティングは元には戻らず、その部分だけ色がにじんだり、妙にテカテカ光って見えたりするようになります。
MacBook の画面も、アルコールで拭き続けるとコーティングが剥がれるという話もあります。
また、モニターのフレーム部分に使われているプラスチックを劣化させ、ひび割れなどの原因になる可能性もあります。
ですから、ウェットタイプのクリーナーを選ぶ際は、必ず「ノンアルコール」と表記されている製品を選んでください。これがモニターを長持ちさせるためのポイントです。
ティッシュペーパーやタオルも要注意
アルコールを避けたとしても、拭くものに気を使わなければ意味がありません。例えば、机の上に常備してあるティッシュペーパーで画面を拭くのはやめておきましょう。
一見柔らかそうに見えるティッシュペーパーも、ゴシゴシ拭くと、目に見えないレベルの細かい傷が無数についてしまう可能性があります。タオルも同様で、繊維が硬くなっていたり、硬質な汚れがついていることもあり、おすすめできません。
掃除には、必ずモニター専用に作られた柔らかいクリーニングクロスや、専用のウェットティッシュを使いましょう。数百円の投資を惜しんだせいで、数万円もするモニターをダメにしてしまっては、元も子もありません。
基本はウェットティッシュ、でも合わせ技も
僕がメインで使っているのは、前述の通りノンアルコールのウェットティッシュタイプのクリーナーです。手軽ですし、そこまで頻繁に掃除するわけではないので、数週間に一度くらい、気になった時にサッと拭けるのが気に入っています。
ただ、たまにウェットティッシュが乾いてしまっていることがあります。そんな時に便利なのが、スプレータイプのクリーナーとの合わせ技です。乾いてしまったウェットティッシュに、ノンアルコールのクリーナースプレーを数回吹きかけて湿らせてから使うのです。
こうすれば、乾いたティッシュを無駄にすることもありませんし、少し頑固な汚れが付いているときに、意図的に水分量を増やして対処することもできます。いわば、それぞれのタイプの「いいとこ取り」をするわけです。
また、湿らせたクロスで拭いたあと、乾いたクロスで拭き上げることで
拭き跡を残さず、綺麗に仕上げることができます。
おすすめクリーナーの選び方
改めてまとめると、クリーナー選びのポイントは以下の通りです。
1. ノンアルコールであること
2. 静電気防止効果があるとなお良い
3. 拭き取るものは専用品を選ぶ
これらを満たしていれば、ウェットティッシュタイプでもスプレータイプでも、ご自身の使いやすい方を選んで問題ないでしょう。大切なのは、正しい知識を持って、適切な道具を選ぶことです。
画面が綺麗だと、作業への集中力も変わってきます。ぜひ、今回紹介した方法を参考にして、あなたの PC モニターを優しく、そして完璧に掃除してみてください。
今日は以上です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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