在宅勤務が長くなってくると、肩こりや腰痛といった不調に悩まされることが増えてきます。
今回は、デスク環境のアップデートを繰り返して見つけた「身体に優しいデスクを作るアイテム」を紹介します。
まずは最も買って良かったと思う3種の神器を紹介したあと、少しリーズナブルに購入できるオプションも紹介します。
また、余裕があれば追加で揃えたいアイテムも一緒に紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
身体に優しいデスクを作るアイテム3選
身体に優しい姿勢とは
そもそも、良い姿勢とはどのようなものでしょうか。
デスクのセットアップのガイドとしてよく知られているように、「椅子の高さ」「デスクの高さ」が身体に合っていることが大前提としてあげられます。
さて、このようにデスクの高さ・椅子の高さに気を使ってセットアップしたら、次はそこで使うデバイスたちです。
握手をする手の形が理想
人体の構造上、握手をするように手を差し出す形がもっとも自然な形と言われています。
この形を意識して作れる環境を作ると、グッと身体が楽になります。
両腕の「内転」を防ぐ
PC作業で肩こりなどに悩んでいる時に整体などに行くと、「肩・腕が内転している」といった言い方をされることがあります。
手を前に差し出して、手のひらを下にして、親指をぐーーっと下げていくと、腕の筋のところが変な引っ張られ方をすると思います。これが内転の動きで、身体の構造上不自然な動きになります。
腕が内転している状態は不自然な状態であり、長時間この姿勢を取ることで悪影響を及ぼすわけです。
で、これを低減するために握手のような手の形を実現できるアイテムが多くリリースされています。
1. マウス・トラックボール
まずは、在宅のPC作業で最も使用する頻度の高いと思われる入力機器です。
その中でも、マウスに関しては自分に合ったものを使用するかどうかで大きく身体への負担が変わってきます。
エルゴノミクストラックボールやマウスを使う
通常のマウスの中には、薄型で平べったい形のものがあります。
こういったマウスは、指でしっかりと支えて動かしてやる必要があるため、無意識で親指を使って動かすことになります。
そのためには親指をデスク面ギリギリまで下げた姿勢を取る必要があり、結果として腕の内転状態につながります。
これを回避するために、親指を下げなくても使えるエルゴノミクス形状のマウスやトラックボールを使う選択肢があります。
具体的には、このように手の角度が斜めになるようなものです。
合うデバイスには個人差がある
さまざまなメーカーが多くのエルゴノミクスデバイスを販売していますが、どれが合うかは個人差があることに注意が必要です。
例えば、サポート性能に優れていそうなMX Master 3というマウスはネット上で大絶賛されているマウスですが、ぼくは実際に使ってみたら手首が痛くなって使用をやめてしまいました。
ネット上で誰もが絶賛しているからといって、自分に合うかどうかは別であることに注意が必要です。
ぼくの場合はさまざまなデバイスを試した結果、下記の2機種をメインで使用する形で落ち着きました。
MX ERGO トラックボール
ロジクールのフラッグシップトラックボールです。
角度調整ができてカスタマイズ幅も広く、充電持ちも良い。
トラックボールに抵抗がない方にはもちろん、トラックボール初挑戦の方にもオススメしたいです。
エントリーモデルのM575も所持していますが、実際に使い比べるとかなり違いがあり、予算が許せばMX ERGOがオススメです。
ただし、マウスで疲れを感じている方はとにかく一度試してみることをオススメします。
MX Anywhere 2s
ロジクールのマウスです。
エルゴノミクス形状ではありませんが、その小ささと軽さによって取り扱いがとにかく軽快で使いやすいのが特徴です。
後継機種のMX Anywhere 3も出ていますが、ホイールチルトボタン機能が省略されてしまったため、前の機種の2sを使い続けています。
身体の負担を減らすためのアイテム選びは、エルゴノミクス対応のアイテムを使うだけではありません。
- 軽くて負担が少ないアイテムを使うこと
- 使うデバイス自体を変えることで姿勢を変えること
人体はどれだけ良い姿勢であっても、長時間同じ姿勢をとり続けるようにはできていません。
そのため、たまに姿勢を変えたり身体を動かすことが大切で、その観点でも複数のデバイスを使い分けることは有効です。
2. キーボード
次に、マウスと同じかそれ以上に使う時間の長いであろう入力デバイス、キーボードです。
このブログでは多くのキーボードを紹介していますが、標準的な形をしたものが多いです。
実はキーボードでもエルゴノミクス形状に対応したモデルが販売されており、身体に優しい姿勢を取ることができるものがあります。
個人的に今まで試した中で一番姿勢が心地よかったのは、ロジクールのK860です。
ただし、これはキーアサインの変更ができない点や、メカニカルキーボードを使いたいという希望があったためパス。
※メカニカルにこだわりがない場合は本当にオススメです。ぜひ量販店などで触ってみて欲しいです。
で、結局ぼくが選んだのはAlice配列のKeychron Q8です。
ロジクールのK860ほどではないものの、左右に開いた形状をしており、自然な手の角度に近い形でタイピングが可能です。
実際に3週間ほど使っていますが、慣れるにつれて確実に腕・肩への負担は減っているように感じます。
(慣れるまでは少し負担もありました。姿勢の面でもタイピング精度の面でも。)
MD660のような左右分割キーボードの方が姿勢の自由度は高いのですが、使いこなすのが難しく、導入のハードルが高くなります。
その点で、Alice配列のキーボードであれば比較的簡単にマスターすることができます。
価格が結構高いのですが、導入する価値はあると感じています。
デメリットとしては、他のキーボードを使う時に感覚が違って戸惑うことがあるくらいでしょうか。
3. デスク脚
さて、個人的に最も効果を感じているのが、デスク選びです。
ネットで見るとさまざまなデスクが販売されており、価格もピンキリです。
中には1万円を切るようなリーズナブルなデスクもあります。
デスク選びで重要なこと
さて、身体に優しいデスク環境を作る上でもっとも大切なのが「デスクの高さ」です。
デスクを3台買い替えて試した結果、「1回ちょうどいい高さを決めて購入」するよりも、「体調や作業内容、使うツールによって高さを調整」できるデスクがオススメです。
ぼくはFlexispotの電動昇降デスク「E7」を使っていますが、電動昇降デスクの良いところは「立って使うこともできるし、座って使うときの高さ調整も容易である」という点です。
デスクと椅子の高さの関係によっては、どんなに良いキーボードやマウスを使っても姿勢が悪いままになってしまうこともあります。そんなときに、電動昇降デスクであれば、デスク自体の高さを細かく調整することができます。
見落としがちな「最低高」
最低高71cmの前後のエントリーモデルはオススメしません。理由は、「高さが十分に下がらない」からです。
デスクと椅子の高さを合わせるとき、デスクの高さは平均的に70cm前後と言われていますが、それより数センチ低い方が良い姿勢を保つことができる場合があります。
ぼくの身長は175cmで特に小柄なほうではないですが、最低高71cmだと少し高く感じます。
そこで、最低高が60cm程度まで下がるスペックの昇降デスクを選択することが大切です。
(ぼくはこのためにデスク2台目を買いました)
ぼくは椅子に座るときは高さ65cm前後にしています。
こまめに高さを数センチだけ変えながら使える
電動昇降デスクの良いところは、寝返り感覚で高さをこまめに変更することができる点です。
実際にやってみるとわかりますが、デスクの高さを2cmあげるだけで、背筋を少し伸ばしてタイピングする形になります。
気合を入れてタイピングしたり、資料を作ったりする時に有効です。
逆に、少し下げてみるとリラックスした姿勢を取ることもできます。資料をじっくり読むときは下げるといった活用法です。
このように高さをこまめに変更することで、姿勢を変えて身体に疲れが溜まりにくくすることができます。
手動で高さを調整するデスクではこういった活用法は難しいので、電動ならではのメリットと言えます。
「最適化」よりも「流動性」
さまざまなデスクのセットアップを試してみて、肩こり腰痛を解消するための最高のソリューションとしては「最適な姿勢をサポートするアイテム」よりは、「こまめに姿勢を変更できる環境」だと思いました。
どんなに良い椅子・デスク・キーボードを使っても、結局は同じ姿勢をとり続けることを避けることが重要です。
- 角度調整ができるトラックボールをマウスと併用して、同じ姿勢を長時間とらない
- 電動昇降デスクを使って、立ったり座ったりしながら作業する
コロコロ姿勢を変えるようにしたり、たまにストレッチを挟むのが最強のケアになると思います。
もちろん、適度に運動をするのも良いでしょう。
環境に投資することで、整体やマッサージに通うコストを抑えることができると考えると、悪くない投資だと思います。
身体の負担をできるだけ減らせるデスク作りの参考になれば幸いです。
今日はこのへんで。
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