2ヶ月使ってわかった、本当にZE8000を買うべき人

オーディオ
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FINALの完全ワイヤレスイヤホン「ZE8000」は、
オーディオの違いがわからない初心者ほど、買うべきかもしれません。

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ZE8000 公式の紹介文

finalの音響研究チームは、業界で長い間リファレンスとされてきた特性とは異なる新しい物理特性を発見しました。
この新たな物理特性に基づくサウンドは従来に比べ、音楽が圧倒的に高精細に聴こえることがわかりました。
同時にこの新たな音を言葉で表現することが難しいことにも気が付きました。
「低域の質感」「高域の伸び」というような表現は多くのオーディオ製品で多用されており、どこかの帯域が優れていることを示す表現は、私たちもこれまで使用してきました。
しかし今回は、音域、楽器や声のどこに注意を向けても、奥行きも含めて全てにフォーカスが合うという初めての体験に、その印象を表現する言葉を見つけることができませんでした。
例えるなら、次世代の映像規格「8K」の高精細さに圧倒された感覚に近い印象を受けたのです。そこで私たちはこのサウンドを新たに「8K SOUND」と呼ぶことにしました。
映像の「8K」と同様、その高精細さに身体感覚が順応するまでには少し時間がかかりますが、一度その感覚を受け止めることができた後ではもう引き返せなくなります。

ZE8000は私たちにとって完全ワイヤレスイヤホンを選択する基準は「音」だと自信を持ってお伝えできる製品です。

https://final-inc.com/products/ze8000-jp

これはつまり、イヤホンとしての構造自体から新しく開発を行い、まったく新感覚のサウンドを得られるとしています。

従来のイヤホンでは「低域が豊か」「高音域がはっきりしている」といった「音響特性」の評価が多く語られがちですが、ZE8000では「どの音に意識を向けても明確に聞き取ることができる」という新しいコンセプトの製品となっています。

実際に使ってみた感想

装着感にはクセがある

変わった形をしているZE8000は、装着にも少しコツがいります。

うまくフィットするまでは、音にも装着感にもやや違和感を覚えると思います。

手軽に装着して使いたい人には、少々面倒に感じる部分かもしれません。

一聴しただけではわからない高解像

ぼくはZE8000を最初に聴いたとき、やや拍子抜けしたのを覚えています。

それは、「高いイヤホン、フラッグシップモデルだから、きっとわかりやすく感動的な音が聴ける」と思っていたからです。

実際には、ZE8000の強みはそこにはありませんでした。

ZE8000本来の強みは、「耳を傾けると、聞きたい音がそこにちゃんとある」という点であって、ボケーッと待っていれば素晴らしい音が供給されるような類のものではありません。
聴く側にもそれなりの集中力が求められるイヤホンです。

あまり動き回らず、じっと聴くのが良い

ZE8000は耳から突き出す部分が大きいのも特徴です。

そのため、装着状態で頭を傾けたり、激しく動いたりするとイヤホンがズレてしまうことがあり気になります。

ノイキャン性能は過信しない

ZE8000にはアクティブノイズキャンセリングが搭載されていますが、これは電車の音や飛行機の音のような大きな音を消すというよりは、自宅で聴く際の環境音、空調や近所の車の音などをカットする目的で使用するのが良いです。

良かった点

明らかな高音質

最初はあまり良さがわからなかったのですが、ZE8000とAirPods Proを何度か往復して使っていると、明らかに聞こえる音の種類が多いことがわかってきます。

ZE8000の視聴環境になれると、「家でじっくり音楽を聴こう」という気持ちにさせてくれるほど、しっかりと音楽を聴いていくことができます。

ぼくのお気に入りは、普段よく聴く音楽をなんでも良いので選曲してから、ボーカルの裏で流れるストリングスやベースの音に注目し、その音の流れをたどって、そのパートを聞き分けようと耳をすませてみることです。

これまでなんとなくボーカルとリズム、その他伴奏といったざっくりした認識だったものが、「それぞれの楽器」「それぞれの演奏」というレベルにまで肉薄して感じられる様子は、やってみるとハマると思います。

良い音がする機器で聴けているという安心感

ぼくのように、「良い音がどんなものかわからない」「自分が聴いている音が良い音なのかどうかわからない」という人にとって、「今聴いている音が一定以上に良い音である」という状況は安心感があります。

この音を基準に、ほかの機種がどう違うのか?と聴き比べていくことができます。

微妙な点

適切なイヤーピースを探すのが少し面倒

ZE8000の音質を最大限に引き出すためには、イヤーピースを完全にフィットさせる必要があります。

ZE8000のイヤピースの構造はやや特殊な構造になっているので、「いつものイヤホンではMサイズだ」とか「耳が小さいからSサイズ」といった従来の感覚にとらわれずに、柔軟に全部のサイズを試していくことを、公式が勧めています。

実際にはそれぞれ付け替えながら最適なフィット感を探すのは、やや面倒に感じる方も多いでしょう。

ワイヤレス充電に対応していない

ZE8000はワイヤレス充電に対応していません。

ワイヤレスイヤホンの多くが無線充電に対応するなかで、有線での充電が必須の機種はやや見劣りする部分です。

特に、意識して充電する習慣を付けておかないと、いざ使おうと思ったときに電池がない。ということが発生します。

ケースはUSB-Cで充電する。ワイヤレス充電には対応しない

ケースがやや大きい

ZE8000のケースはかなり大きいです。

この大きさがワイヤレス充電に対応していないのがにわかに信じられないほどです。

一方で、今後FINALで対応を予定しているカスタムイヤーピースなどに対応できるよう、ケース内部の空洞に余裕をもたせてあるようで、そのためにケースが大きめになっているようです。

AirPods Pro, Pixel Buds Proと比べて、とても大きなケース

頭を動かすとイヤホンがずれることがある

ZE8000は耳から飛び出す部分が大きいので、頭の向きや動きにやや影響を受けやすい形をしています。

そのため、装着状態で走ったり、上を向いたり、下を向いたりするとイヤホンが少しズレて音の聞こえ方が変わることがあります。

落ち着いた環境で座って聴くのがベストです。

こんな人にこそオススメ

イヤホンやオーディオ機器に、あまり詳しくない人にこそおすすめしたい

ぼくはイヤホンマニアではありませんし、オーディオ製品にとても詳しいわけでもありません。

このZE8000を購入してからは、「これが良い音なんだな」というベンチマーク的にZE8000を活用していて、自分にとって「良い音」の基準を作っていくのにうってつけの環境だと思いました。

というのも、オーディオ機器というのは初心者には敷居が高く、DAP、DACやアンプ、ケーブル、ヘッドフォンに至るまで一式揃える必要がある上に、それらを全く同じ環境で使っている同志を見つけることは非常に困難で、「自分の聴いている音が良い音なのかどうか?」がそもそもわからないわけです。

その点、ZE8000であればだいたいみんなおなじ環境で良い音を楽しめるので、特にAptX Adaptiveが使用できるDAPやAndroidスマートフォンとの組み合わせであれば、かなり安価に完全ワイヤレス界で最上級の環境を構築できることになりますので、コスパが良いということになります。

こんな人にはおすすめできない

一聴してわかるような感動的な高音質を期待する人

実際に聴いてみると、確かに高解像度な音づくりではあるのですが、魅力がわかるまでにいろんな種類の音源を聴いてみる必要があります。

オーディオに詳しい専門家の人達が絶賛しているからといって、誰が聴いても感動的な音が鳴るかというと、決してそんなことはありません。

そのため、「4万円弱も出したのだから、感動的な音がいきなり聴ける」と期待しているのであれば、その期待はかなりの確率で外れると思います。

装着感や、手軽な使用感を求める人

ZE8000は、装着にややコツがいります。

コツを掴んでしまえば多くの場合に手間取ることは無くなっていきますが、しかしそれでも自分のコンディションによっては装着時に違和感を覚えることもあります。

AirPods Proのようにいつでも手軽に、かつ同じ装着感で使い続けることを期待する人には向いていません。

特にケースが大きめでかさばる点や、ワイヤレス充電に対応しない点も「便利なイヤホン」というよりは「有線で使うオーディオ機器が無線になっている」といったイメージで使うのがおすすめです。

ぼくの使い分け方

出先ではAirPods ProやGoogle Pixel Buds Pro

外に出かけるときは、装着感やノイキャン性能、ケースのコンパクトさなどから、AirPods Proを選択することが多いです。

外で電車に乗っているときなどは、ZE8000の高音質よりもAirPods Proのノイキャンのほうが快適だと感じることが多いためです。

家ではZE8000

一方で、家でのZE8000を使っています。

ぼくはAndroidのPixel 7 Proとペアリングして使っていますが、AirPods Proとは全く違うクリアな音で音楽を楽しむことができます。

室内で有線環境で音楽を聴くような気持ちで、無線イヤホンが使えるため快適に使用できます。

まとめ

高級機だがコスパがいい

ZE8000は3万円台後半と、かなり高額なワイヤレスイヤホンです。

しかし、実際には「良い音」のために様々な機器を揃えることが普通であるオーディオ製品というジャンルで、4万円弱で良い音を聴ける環境が作れるという意味では破格のコスパを誇っているという見方もできます。

万人向けではないが、初心者にこそおすすめ

環境がシンプルで良い音が聴けるので、オーディオ初心者が「解像度の高い音」に触れるのにもうってつけです。

誰でも簡単に高水準の環境を得ることができるので、初心者が自分の基準を構築するのにも最適です。

便利なガジェット的イヤホンと使い分けるのがおすすめ

ZE8000は、便利なガジェットではなく、じっくり音楽を聴くためのオーディオ機器です。

そのため、外出時のノイキャンや通話性能、ボイスアシスタントなどの機能を使うのであればAirPods Proなどのほうが便利に使えます。

ぼくのおすすめは、音楽鑑賞用のZE8000と、便利ガジェットとしてのAirPods Proなどを所持しておくことです。

こうしておくことで、それぞれの良さを教授しておきながら、コスパよくオーディオ生活を送ることができます。

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